子ども達に人気の『ポケットモンスター』が、最先端のカルチャーシーンに登場する。専門店経営のパルコは、東京・渋谷PARCO内の「PARCO MUSEUM TOKYO」にて、企画展覧会「Daniel Arsham × Pokemon」を開催すると発表した。
現代アーティストとして著名なダニエル・アーシャムが、『ポケットモンスター』を題材に新作アートを制作。「レリックス オブ カントー スルー タイム (Relics of Kanto Through Time)」と題した展覧会を8月1日から8月16日まで実施する。
ダニエル・アーシャムは1980年米国生まれ。疑似考古学をテーマにカメラやカセットデッキ、アタシュケースが発掘されたといったモチーフで彫刻などのアート制作をすることで広く知られている。世界的に知られた存在だ。今回はポケモンやポケモン図鑑、サトシらが化石化して1000年後に発掘されたとのコンセプトで表現する。
会場には未公開の彫刻作品やインタレーションを展開する。また渋谷PARCO1Fには全長約2mのブロンズ製「ピカチュウ」も展示され、展覧会を盛り上げる。展覧会の入場料金は700円で、期間中はオリジナルグッズの発売も予定する。
ダニエル・アーシャムとポケモンのコラボレーションは、2020年4月にアパレルのUTとのコラボTシャツ発売でスタートした。6月には渋谷のナンヅカ ギャラリーでも展覧会を開催している。今回はコラボレーションプロジェクトの第3弾となる。
「ポケモン」は世界的知られる人気作品だが、誕生からまだ20年あまりに過ぎない。90年を超える歴史を誇るミッキーマウスや、50年の「ドラえもん」、40年超の「ハローキティ」などに較べるとだいぶ短い。それだけに子ども向けのキャラクターとして捉えられ、ある程度成長するとキャラクターとの接触が薄れる傾向が強かった。
しかしより息の長い人気を目指すには、全世代から受け入れられるユーザー層の拡大が求められる。2016年にスタートしたアプリゲーム「ポケモンGO」の大ヒットはそうした固定観念を崩すことに成功し、大人層にファンを広げた。さらに近年は積極的なライセンスでより幅の広い層での認知を高めるの積極的だ。ハリウッド発の実写映画『名探偵ピカチュウ』、吉野家やアディダスなどの多方面にライセンスするなどがそうだ。今回の現代アーティストのダニエル・アーシャムとのコレボレーションも、そうした新しい試みのひとつだ。ポケモンが大人層にとっても「新しい」「お洒落」と受け入れられるかの挑戦でもある。
「Relics of Kanto Through Time at PARCO MUSEUM TOKYO」
2020年8月1日~8月16日
会場:PARCO MUSEUM TOKYO