MyAnimeListに電通、ブシロードが出資 電通はビッグデータで業務提携

提携

 英語でアニメ・マンガ情報を世界発信するコミュニティサイトを運営するMyAnimeListの株主に新たに電通グループとブシロードが加わる。MyAnimeListと親会社のメディドゥは2021年7月26日、電通グループとブシロード、他企業が新たに第三者割当増資でMyAnimeListの株式取得したことを明らかにした。今回決定の増資金額は4億4800万円になる。
 MyAnimeListは今年2月に第三者割当増資の方針を発表、これまでにアカツキ、アニメタイムズ社、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、DMM.com、メディアドゥなどが計9億1100万円を引き受けてきた。今回分を加え合計13億6000万円の資金を調達したことになる。

 第三者割当増資の目的は、現在運営するコミュニティサイトの機能改善、新規サービス導入に向けたものだ。積極的投資で、日本アニメ・マンガ分野で世界最大とされるサイトの拡張を目指す。
 しかし増資の目的は単の資金調達に限られない。日本のアニメ・マンガビジネスで存在感のある有力企業を事業パートナーとする狙いもありそうだ。大手出版4社やアニメタイムズ社の出資にはそうした方向性が示されている。今回増資に加わったブシロードは国内外でトレーディングカードゲームの大手、アニメ製作やスマホアプリビジネスにも積極的だ。強固な株主陣を構成し、国内有力企業が連携するかたちで海外展開を目指す。

 一方で、今回株主となった電通とは、別のかたちのビジネスで業務提携を結んだ。膨大なコミュニティメンバーから生まれデータの利活用で電通グループが協力する。サイトに蓄積された日本アニメ・マンガの評価やコメントなどをビッグデータとして分析することで、海外展開支援サービスを提供するという。
 日本アニメ・マンガの海外展開では作品流通のプラットフォームを外資系企業に握られており、自社に情報が充分ないとの指摘がされている。MyAnimeListと電通は、それをコミュニティサイトのデータから引きだすという訳だ。電通の広告・マーケティングで培ったデータ分析力・活用力、ビジネスプロデュース力、国内外のネットワークを生かすとしている。

MyAnimeList  https://myanimelist.net/

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 「アニメーションの表現」
     2023年10月23日から11月1日まで開催されている第36回東京国際映画祭は、昨年より上映本数、…
  3. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
     日本を代表するアニメーション作家として、いま“和田淳”を筆頭に挙げる人は多いだろう。2010年に『…
ページ上部へ戻る