「キャプテン・フューチャー」 東映アニメーションがヨーロッパで再起動

テレビ

1980年年代に、ドイツで大人気となった日本アニメ『キャプテン・フューチャー』がヨーロッパで復活することになった。東映アニメーションは、2016年より本作の商品展開を再始動することを明らかにした。
まず11月にフランスとドイツで新たにBlu-rayとDVDを発売する。フランスでは11月9日からAB ビデオから、ドイツではUniversumが11月25日にリリースする。AB ビデオとUniversumはいずれもアニメを得意としながらも、映画や海外ドラマも扱う大手の映像ソフト会社のため、幅広い流通が期待できる。東映アニメーションは、映像パッケージだけでなく、今後は商品化の展開も視野に入れる。

『キャプテン・フューチャー』は、米国のSF作家エドモンド・ハミルトンの小説を、そのスペースオペラの世界観をアニメとして映像化したテレビシリーズだ。1978年から9年にかけてNHK総合で放送された。NHKが手がける30分枠のテレビシリーズでは、宮崎駿監督の『未来少年コナン』続く第2作目にあたる。アニメーション制作は東映動画(現・東映アニメーション)、スタッフには当時のトップクラスの才能が結集した。チーフディレクターは勝間田具治、メインライターに辻真先、音楽は大野雄二といった具合だ。
また80年代にドイツ公共放送のZDF、フランスのTF1、イタリアのRai Unoなどで広くテレビ放送された。とりわけそれまでキッズ向けのアニメしかなかったドイツでは絶大な人気を獲得し、幅広い商品展開にもつながった。長年カルトな人気を持ち、同国では日本を代表するアニメとなっている。今回の試みは、こうした人気にフォーカスする。

東映アニメーション・ヨーロッパは、2004年に東映アニメーションの子会社として設立された。国内のアニメ会社がアニメーション制作でなく、ライセンス管理やビジネス開発で海外子会社を持つケースは現在でも多くないが、その先駆けとなっている。
ヨーロッパで人気の高い『ドラゴンボールZ』や『聖闘志星矢』、『美少女戦士セーラームーン』などの展開で実績をあげている。70年代、80年代の作品の人気を長く維持することを得意としてきた東映アニメーションだけに、今回もそうしたノウハウが活用されそうだ。

一方、長らく動きのなかった日本でも、2016年にはアニマックスの東映アニメーション創立60周年記念特別番組で放送されている。また第1話が東映アニメーション創立60周年公式YouTubeチャンネルで配信され話題を呼んでいる。さらに今年秋には初の映像パッケージ商品としてBlu-ray BOXが発売され(VOL.1:9月14日発売/VOL.2:11月9日発売)、関心を集めている。

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