2021年米国SVOD配信市場2兆9千億円、リアル市場の10倍超に

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 米国のデジタルコンテンツ流通団体デジタル・エンタテインメント・グループ(DEB)によれば、2021年の映像配信市場は294億5614万ドルで3兆3900億円(1ドル115円換算)となった。前年比では11.5%増と成長が続いている。
 ビデオパッケージ市場は引き続き縮小している。DVDやブルーレイのビデオソフトの販売は19億7279万ドル(約2270億円)(前年比19.5%減)だった。ビデオレンタルの8億2272万ドル(約950億円)(21.2%減)を加えても、配信市場の1/10以下となった。
 今回の統計には5億2500万ドル(約6000億円)規模のSVODサービス利用者などでのプレミア視聴料金が含まれていない。プレミア料金は見放題に、追加料金でいち早く最新映画やライブなどが視聴できる。これを加えると映像配信市場は330億ドル(約3兆8000億円)規模になる。リアル市場との差はさらに広がる。

 成長の牽引力はSVODと呼ばれる定額課金見放題サービスの成長だ。NetflixやDisney+など主要なサービスがSVODをビジネスモデルにしている。
 SVODは配信市場の86%を占める252億6802万ドル、前年比で19.76%と高い伸びとなった。残りがETSと呼ばれるネットを通じて映像をダウンロードする売り切りサービスと、番組ごとに支払いをするVDODになる。
 
 映像配信というと成長市場とのイメージが強いが、実際に2021年で伸びたのはSVODだけで、ETSとVODは前年比で大きく減少した。ETS市場は24億2285万ドルで19.17%の減少、VODは17億6527万ドルで23.79%もの減少となる。これはリアル市場の下げ幅とほほ同じだ。
 リアル流通からデジタル流通との流れ加えて、ユーザーが番組ごとに支払いでなく、まとめて購入してその中から作品を選ぶサブスクリプション型消費に移行する流れがある。
 映像マーケット全体(配信+リアル)は3兆2251億円(約3兆7000億円)と前年比で7.83%増。この金額は過去最高で、2021年も劇場興行が低調で家庭で映像を楽しむことが増えたとも理由とみられる。コロナ禍がデジタルマーケットの拡大を後押ししている。

デジタル・エンタテインメント・グループ(DEB)
https://www.degonline.org/

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