米国大手ケーブル局AMCが日本アニメ配給のセンタイ買収、配信強化が狙い

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 米国の大手ケーブル局のAMCネットワークが、日本アニメ配給のセンタイ・ホールディングス(Sentai Holdings, LLC)を買収した。2022年1月5日(現地時間)、AMCが発表した。熱狂的なファンが多いアニメを囲い込むことで配信事業の拡張を目指す。
 センタイは日本の官民ファンドであるクールジャパン機構が株式の過半数を保有しており、AMCはこの全ても取得する。買収価格は非公表となっている。現経営陣のジョン・レドフォード氏、グリフィン・バンス氏、ポール・クリンクスケールズ氏は、引き続きセンタイの経営に携わる。

 センタイは2008年に日本アニメの北米ビジネスに経験が深いジョン・レドフォード氏らが設立した。日本の製作会社からアニメのライセンスを取得、北米で事業を展開している。同業のファニメーションやクランチロールには規模で及ばないが、コアファン向けの作品を得意とする。主要タイトルには『けいおん!』などの京都アニメーション作品、『ガールズ&パンツァー』、『SHIROBAKO』などがある。
 独立系配給会社として経営されてきたが、2018年に日本のクールジャパン機構が36億円を出資し大株主となった。同機構は2020年9月にも4億円の出資をしている。日本アニメの海外ライセンス販売拡大を目指した投資であったが、今後の経営をAMCに委ねる。

 AMCが目指すのは、配信事業の拡大だ。センタイの主要事業のひとつに日本アニメ専門の配信プラットフォームHIDIVEがある。
 AMCは『ウォーキング・デッド』や『マッドメン』などの人気ドラマで知られる有料ケーブル放送を主要事業にしてきた。しかし昨今の配信市場の成長とケーブルテレビの影響もあり、自ら配信プラットフォーム事業に進出している。自局の有力番組を目玉に、AMC+、Acorn TV、Shudder、Sundance Now、ALLBLKといったサービスを提供している。総合サービスでなく、個性を持った複数のサービスを提供するのが特徴だ。AMCはこれを「ターゲット・ストリーミング」と呼んでいる。
 萌えや日常、ロボットもの、セクシーなどコアファン向けの作品を取りそろえロイヤリティの高いユーザーから構成されるHIDIVEは、AMCの路線に合致するというわけだ。

センタイ・ホールディングス(Sentai Holdings, LLC)
https://www.sentaifilmworks.com/a/about
AMCネットワーク
https://www.amc.com/

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