U-NEXT 課金ユーザー217万人前年比33%増、配信が事業を牽引

ファイナンス決算

 USEN-NEXTホールディングスの業績が、映像配信プラットフォームの成長に牽引されて好調だ。2021年4月8日に発表された21年8月期第2四半期決算は、売上高が1012億700万円(6.2%増)、営業利益が80億2100万円(35%増)と増収増益だ。経常利益も76億3200万円(49.5%増)、当期純利益43億7300万円(80.0%増)となっている。
 USEN-NEXTホールディングスは店舗向けの音楽配信や通信事業、業務管理システム事業などを手がけるが、今期の業績を支えたのはコンテンツ配信事業である。「U-NEXT」のブランドで定額課金、都度課金の映像配信プラットフォームを運営する。これが成長の柱になっている。

 第2四半期までのコンテンツ配信事業単体の売上高は288億600万円と前年同期比で39.8%増だった。営業利益も前年の3億2900万円から32億900万円と大きく伸びた。
 同事業の拡大は課金ユーザーの成長にある。2021年2月時点で課金ユーザーは217万9000人、前年同時期の163万400人から33%も増加している。業界トップの番組ラインアップがユーザーにアピールしていると見られる。アニメタイトルでは国内トップだ。
 国内定額課金サービスでは、NetflixやAmazon プライム ビデオなど外資系が勢いを増している。そのなかでU-NEXTはHuluと共に国内資本のサービスとしてシェア上位に喰いこんでいる。

 こうした業績からUSEN-NEXTホールディングスは21年8月期の業績見通しを上方修正ししている。コンテンツ配信事業もこれまでの通期売上高560億円を587億円に、営業利益を27億円から57億円に引き上げた。
 定額課金ユーザーが予想を上回る伸びとなっており、個別課金の番組視聴も好調なためだ。さらに粗利益率の改善も利益の増加に結びついている。

 今後はシェア争いで上位を保つためにさらなる番組強化が必要とされている。今年1月にはアニメ番組の拡充を狙ってアニメ・ブック事業本部を新たに設置した。ユーザー訴求力の高いアニメラインアップは、今後も強化される可能性が高い。
 また3月に海外ワーナー メディア系のテレビ局HBOと映像プラットフォームHBO maxの番組の日本独占配信契約を結んでいる。さらび米国VaicomCBCとも独占ライセンスパートナー契約も締結している。有力チャンネル「SHOWTIME」の最新6作品を日本独占配信している。
 U-NEXTだけでしか観られない人気番組も増える。これが今後のさらなる課金ユーザーの上積みにつながる。

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