Netflixがアニメのコンセプト開発拠点、都内に設立

デザイナーズ・ガレージ

 動画配信大手のNetflixは、都内の新オフィス内にアニメのクリエイティブと企画創出を目指した拠点を開設した。「Netflix アニメ・クリエイターズ・ベース」と名付けたこの施設は、「デザイナーズ・ガレージ」「ライターズ・ガレージ」「ラボ」の3つ機能とエリアから構成される。Netflixが開発・配信するアニメ作品づくりの制作パートナーへの支援を目的としたものだ。
 アニメに関わるデザイナーやクリエイターなどの才能が集まるコミュニティハブを目指すという。またクリエイティブの創出に加えて、長期的にはアニメーション制作のツールや技術開発、パートナーの支援も視野に入れている。

 新オフィスのオープンは8月、「アニメ・クリエイターズ・ベース」の稼働も今回の発表に合わせてとなる。まずはコンセプトアートのデザイン開発に注力し、その後の方向性を見定めることになりそうだ。
 コンセプトアートは作品の企画・開発のさらに前段階、アイディアだしの際に多様される。イメージをビジュアルに落とし込むことで、作品への理解を深め、さらなるアイディアを生み出すもとになる。Netflix アニメ チーフ・プロデューサーの櫻井大樹氏は、現在のアニメ制作は制作量の多さなどからこうした企画前の段階の場が不足していることを「アニメ・クリエイターズ・ベース」を設立した理由として説明する。


 
 現在は国内のアニメ制作会社で経験のある石舘波子氏とサイナ・シセ氏のふたりがクリエイターズ・ベース所属のデザイナーとなっている。すでにNetflixの企画アニメのコンセプトアートづくり携わっている。今後2名の参加が決まっており、さらに拡充する予定だ。「デザイナーズ・ガレージ」「ライターズ・ガレージ」のスペースが活用される。
 将来的には脚本家などの参加も期待したいとしているが、現状で目指しているのはコンセプト開発で、アニメの実制作に進出する予定はない。アニメスタジオとクリエイターのサポートが主目的となっている。
 一方でアニメーション制作ツールや技術の開発支援には乗り出したとしている。テック系を得意とするNetflixならではの取り組みになりそうだ。

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