7つの日本スタジオが「スター・ウォーズ」のアニメ制作、Disney+で独占配信

スター・ウォーズ:ビジョンズ

 日本の有力アニメスタジオと米国のポップカルチャーのアイコン『スター・ウォーズ』が、新作映像の制作で連動する。2021年7月4日、北米最大のアニメイベント「Anime Expo」のオンライン版「Anime Expo Lite 2021」にてルーカス・フィルムのトークイベントが実施された。このなかで日本の7つのアニメスタジオが、『スター・ウォーズ』の新作短編オムニバス『スター・ウォーズ:ビジョンズ』に参加することがここで明らかにされた。
 参加スタジオは神風動画、キネマシトラス、サイエンスSARU、ジェノスタジオ、スタジオコロリド、トリガー、プロダクション I.Gの7つである。サイエンスSARUとトリガーとサイエンスSARUは2作品、他の5つのスタジオは1作品をそれぞれ作る。いずれも世界中に熱烈なファンを持ち、数々の傑作を生みだしてきたスタジオだ。どの短編も『スター・ウォーズ』を題材にしたもので、デザインの特徴は異なるものの日本らしい2Dセルスタイルとなっている。

 『スター・ウォーズ』はルーカス・フィルムが1977年に映画第1作を生み出した銀河をまたにかけた壮大スケールのSF叙事詩。その後シリーズは続編、テレビシリーズ、アニメーション、小説など多岐にわた展開を遂げ巨大な物語を築き上げてきた。
 『スター・ウォーズ:ビジョンズ』はそのなかでもとびきりユニークな企画となる。プロジェクト自体は2020年暮れに日本との新たに取り組むと発表されていた。ウォルト・ディズニーの定額課金配信の一大プロジェクト「Disney+」の目玉作品との位置づけだ。

 昨年の段階ではスタッフも含めた詳細は明かされていなかったが、今回の発表でタイトル、スタジオのほか日本のアニメスタイルとクリエイターを大胆に取りいれることも分かった。
 発表に合わせて、作品の特別映像も配信を開始している。映像の中には今石洋之、神山健治、岡崎能士、水野貴信、木村拓、垪和等、五十嵐祐貴、大塚雅彦といった実力派クリエイターが並ぶ。こちらも豪華なものになるようだ。全9作品は定額課金見放題のDisney+にて、2021年9月22日より一挙配信となる。もちろんDisney+の独占だ。

 Disney+は現在、ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル ジオグラフィックの5つのブランドの傑作・話題作、さらに新作も見放題で提供している。サービス開始以来、世界中で契約者を増やしているが、『スター・ウォーズ:ビジョンズ』はさらに契約者を増やす目玉タイトルのひとつになるとみられる。勿論、そのなかで日本はは特に新規獲得を期待される市場になるだろう。

【神風動画】
『デュエル』/『The Duel(原題)』

【キネマシトラス】
『村の花嫁』/『The Village Bride(原題)』

【サイエンスSARU】
『T0-B1』/『T0-B1(原題)』
『赤霧』/『Akakiri (原題)』

【ジェノスタジオ】
『のらうさロップと緋桜お蝶』/『Lop and Och?(原題)』

【スタジオコロリド】
『タトゥイーン・ラプソディ』/『Tatooine Rhapsody(原題)』

【トリガー】
『ツインズ』/『The Twins(原題)』
『エルダー』/『The Elder(原題)』

【プロダクション I.G】
『九人目のジェダイ』/『The Ninth Jedi(原題)』


『スター・ウォーズ:ビジョンズ』
ディズニープラスにて9月22日より独占配信開始

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