サンフランシスコのカートゥーンアートミュージアム 2017年春に再オープン 一時閉鎖を乗り越える

アニメーター

米国・サンフランシスコに拠点を持つカートゥーンアートミュージアムが新しい建物を確保し、2017年春に再オープンすることになった。マリタイムミュージアムや海事国立史跡公園に近く、サンフランシスコ・ケーブルカーの終点からもすぐの便利な場所だ。地元の人だけでなく、観光客の来訪も期待できるエリアである。
現在改装中の約750㎡の建物にはギャラリーの他、保管庫、上映ルーム、教室、ブックストア、図書室などが設置される。単に展示するだけでなく、カルチャー交流や情報発信の場ともなる。
カートゥーミュージアムは1984年に作品関連資料をコレクションする人たちが、その有効活用を目指してグループを作ったのが始まりだ。現在は、約7000点ものオリジナル資料を保有している。

ミュージアムではあるが当初は常設の建物を持たずに活動、『ピーナッツ』の作者で知られるチャールズ・シュルツの寄付を受けたのをきっかけに1987年に常設スペースを確保した。直近の建物は2001年以来使用してきたミッション地区の施設である。
ところがサンフランシスコの不動産レンタル相場の上昇が博物館の運営を直撃した。博物館のあったミッション地区はかつては貧しい地区だったが、その自由な雰囲気からIT企業の社員などが住むエリアとして脚光を浴び、近年、急激に高級化、賃料が急上昇していた。これにより2015年9月にミッション地区での運営を断念し、新たな建物を探していた。今回、この実現に目途がついたというわけだ。

カートゥーンアートミュージアムは名前はカートゥーン(風刺漫画)だが、実際にはアメリカンコミックスやアニメーション、イラストレーションなど関連カルチャーを幅広く扱っている。コミックファンや映像ファンが訪れても楽しいだろう。
2015年夏には、講談社、講談社アドバンスメディアと協力して「講談社コミック マンガギャラリー」展を開催している。同社代表する作品の原画展示が話題を呼んだ。サンフランシスコには、講談社アドバンスメディアのほか、小学館、集英社の現地法人VIZ Mediaも拠点を持つ。今後も、日本のマンガとミュージアムとの取り組みも期待できそうだ。

カートゥーンアートミュージアム
http://cartoonart.org/

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 「アニメーションの表現」
     2023年10月23日から11月1日まで開催されている第36回東京国際映画祭は、昨年より上映本数、…
  3. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
     日本を代表するアニメーション作家として、いま“和田淳”を筆頭に挙げる人は多いだろう。2010年に『…
ページ上部へ戻る