トレーディングカードゲーム(TCG)などエンタメ企業のブシロードが、2021年6月期第3四半期までの決算で連結売上が過去最高になった。前年の252億2400万円から7.7%増の271億5400万円である。4月にフロントウイングラボを連結子会社化したことも寄与し、近年の事業成長軌道に揺るぎはなかった。
一方で営業利益は4億2300万円(80.9%減)、経常利益は5億2400万円(76.2%減)と大幅な減少となっている。
アプリゲームのMOG部門が減少した。「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」「D4DJ Groovy Mix」が堅調であったが、アプリゲーム全体では軟調だった。またコロナ禍で音楽ライブ・舞台で収容人数を限定した開催としたため原価率が改善しなかったことが響いている。
さらに最終損失が1億6100万円と最終赤字に転落した。持分法適用関連会社リンガ・フランカののれん4100万円を減損処理したほか、保有投資有価証券で2億7200万円の評価損を特別損失に計上したためだ。
事業別では、TCG部門、MOG部門、MD(商品)部門、メディア部門からなるデジタルIP事業が売上高202億9900万円(11.3%増)、営業利益3億7600万円(72.4%減)。音楽部門、スポーツ部門からなるライブIP事業が売上高68億5400万円(1.8%減)、営業が3600万円(95.6%減)だった。
通期業績予想は、依然新型コロナ感染症の影響が続いていることから、現時点では算定が困難としている。また今期から決算月を7月から6月に変更することから、今期は11カ月の変則決算になる。このため通期では前期との単純な業績比較は出来なくなる。