2021年で開催34回目を迎える東京国際映画祭が、大きな変革に乗り出す。3月15日、東京国際映画祭事務局は今年10月30日から11月8日の映画祭のメイン会場が、従来の六本木地区から日比谷・銀座・有楽町地区に移ることを明らかにした。
東京国際映画祭は1985年にスタート当初は渋谷地区をメイン会場にしていたが、2004年から渋谷・六本木の併催、さらに2009年からは六本木をメイン会場にしている。今回は17年ぶりに六本木を離れて、新しい会場でとなる。
もともと映画館、劇場の多い地区ではあったが、今年はその特色を活かして角川シネマ有楽町、シネスイッチ銀座、TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、有楽町よみうりホールの各劇場で上映を実施する。複数の劇場を使用することで街中の人の流れを生み出し、地域の活性化にもちながりそうだ。
昨年から実施している同時開催の東京フィルメックスの主会場も有楽町朝日ホールと近隣地区で、観客の鑑賞の利便も増すとしている。
変革は会場だけにとどまらない。映画祭事務局によれば、本年は昨年に続き期間中のプログラムの再編をさらに進める。昨年はコンペティション部門の廃止という大きな決断が映画関係者を驚かせたが、今年も部門の構成、コンペティションのあり方を再検討し、今後新たなかたちを発表する予定だ。
従来は監督や独自のテーマで設定した特集企画だったアニメーション部門がどのようなかたちで映画祭に取り込まれるかも気になるところである。
今回の変革に合わせて、プログラミング・ディレクターも交代する。2004年よりプログラミングの責任者であった矢田部吉彦氏が退任、4月より市山尚三氏がプログラミング・ディレクターに就任する。市山氏は東京フィルメックスを創設など経験が豊富だが、今回から東京フィルメックスのプログラミングから外れ、東京国際映画祭のプログラミングを担当する。
また映画祭の男女平等を推進する「Collectif 50/50」の活動を積極的に進める。新しい時代に合った新しい映画祭、東京国際映画祭が2021年に大きく変わりそうだ。
東京国際映画祭 https://2021.tiff-jp.net/ja/