毎年春に開催されるアニメの総合イベント「AnimeJapan」は、ステージイベントや出展企業の凝った企画で毎回注目を集める。こうした催しはプロモーションでもあり、ファンに人気が高いが、「AnimeJapan」にはもうひとつ大きな機能がある。アニメビジネスの振興だ。
その役割を果たすのが、パブリックデイ・エリアとは別に行われるビジネスデイ・エリアである。2021年は3月27日、28日のパブリックの後、3月29日、30日の2日間でオンライン開催を予定している。この「AnimeJapan 2021」ビジネスエリアの概要が実行委員会から発表された。
パブリックエリアは当初のリアルとオンラインのハイブリットの予定を変更し、オンライン開催だけと先日発表されたばかり。しかし2021年のビジネスエリアは、最初からオンラインのみとしていた。従来は海外からのビジネスパーソンの来日を想定していたが、新型コロナ感染症が世界的に収まり切らない中で、そうしたコミュニケーションがなかなか難しいからだ。
今回の特徴は、当初からオンラインを想定することで、様々な機能をオンラインで提供することだ。期間中はオンラインを使った企業出展、商談システムやセミナー配信などが実施される。
オンライン出展ブースには国内外アニメ関連企業約40社が出展する。関心のある企業とのビジネスミーティングが可能だ。またビジネスマッチングシステムを使うことで、出展社との商談セッティングが可能である。ビジネス創出の鍵となる企業同士の出会いの場を作りだす。
アニメビジネスセミナーは、国内外海外企業向けにアニメ関連ビジネスの知識やアニメ作品による企業コラボ実例、海外配信事業、アニメマーケット展開などのテーマを定めて掘り下げる。
「「アニメ産業レポート2020」から読み取る、アニメ産業の最前線」、「クリエイター・企業・顧客を繋ぐアニメコラボ」、「アニメを世界に届けるために」、「『エヴァンゲリオン』にみる多様な二次利用展開について」、「COVID-19を乗り越えるアニメビジネスとは」など。講座は2日間で現在アニメビジネスをより深く知るのに役に立つ5つが発表されている。
日本語に英語字幕もつくので、海外からの参加者にも活用されそうだ。いずれのセミナーも会期終了後1週間のアーカイブ配信を予定している。
このほか初めてアニメビジネスに関わる異業種の人に向けた問い合わせや相談に対応するアニメビジネスコンシェルジュ、またジェトロが実施する「AJ×JETROアニメコンテンツ・オンライン商談会」も予定している。(参加企業募集は終了) こちらは日本のアニメコンテンツの海外展開支援の一環で日本のアニメコンテンツに関心のある海外企業をウェブ会議システムで繋いだ商談会になる。今回はタイ、米国、メキシコ、フランス、スペイン、ロシア、サウジアラビア、UAE、ナイジェリアのバイヤーが参加する。
AnimeJapan 2021 ビジネスエリア
https://www.anime-japan.jp/business/about/
【ビジネスセミナー】
3月29日(月) 12:00~
「アニメ産業レポート2020」から読み取る、アニメ産業の最前線
増田弘道 (アニメ産業レポート編集統括/ビデオマーケット 顧問)
3月29日(月)15:00~
クリエイター・企業・顧客を繋ぐアニメコラボ
中嶋俊介 (タツノコプロ コンテンツビジネス部 副部長)
米内雄樹 (タニタヘルスリンク エグゼクティブプロデューサー ヘルスケアサービス部門長)
森玲治 (三越伊勢丹 EC・メディア推進部 メディア芸術担当ディレクター)
MC:藤津亮太 (アニメ評論家)
3月30日(火)10:00~
アニメを世界に届けるために
後藤秀樹 (アニプレックス 執行役員専務)
3月30日(火)12:00~
『エヴァンゲリオン』にみる多様な二次利用展開について
神村靖宏 (グラウンドワークス代表取締役 『エヴァンゲリオンシリーズ』ライセンス管理)
数土直志 (ジャーナリスト)
3月30日(火)15:00~
COVID-19を乗り越えるアニメビジネスとは
井上伸一郎 (KADOKAWA 代表取締役執行役員)
夏目公一朗 (KADOKAWAアニメ事業局 戦略アドバイザー/アニプレックス スーパーバイザー/一般社団法人アニメジャパン 副理事長)