アニメ大手IGポートの業績が急回復している。2021年1月14日に発表された21年5月期第2四半期決算(20年6月~11月)は、売上、利益とも前年同期で大きく伸びて増収増益となった。
連結売上高は51億4100万円(17.7%増)、営業利益は7億6400万円(142.3%増)、経常利益は7億8500万円(150.7%増)、当期純利益は5億7400万円(221.7%増)である。第2四半期に大型映像作品の納品が集中したことが、売上増加につながった。
ただし同日発表された通期業績予想の修正では、売上高は当初予想の96億2100万円から95億8800万円と変化は少ない。第2四半期の増収は読み込み済みというわけだ。
利益面では営業利益を2億3800万円から4億6200万円、経常利益を2億5500万円から4億7800万円へ、当期純利益を1億5000万円から2億5900万円に大きく引き上げた。映像制作事業の納品作品の一部で収益が改善したほか、出版事業で電子書籍の売上が増加したのが理由である。
第2四半期までの映像制作事業の売上は28億5800万円(0.5%減)、営業利益は2億1000万円(22.0%増)。ここでも利益の回復が見られる。CG制作費や外注費は引き続き高騰し、制作期間の長期化もあるが、一部の作品では利益率が改善した。期間中の主力作品は、劇場映画では『Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編』、『BEM~BECOME HUMAN』。テレビアニメでは『NOBLESSE-ノブレス-』、『MARS RED』、『GREAT PRETENDER』などだ。
一方、版権事業の中心は『GREAT PRETENDER』、『攻殻機動隊』、『進撃の巨人』、『ハイキュー!!』などとなった。前年同期に比べて製作投資にあたる映像マスターやコンテンツ資産の減価償却費が増加したが、こちらも大型作品が多かったためである。版権事業売上は12億4400万円(81.5%増)、営業利益は4億5900万円(192.7%増)だった。
出版事業は、売上高9億1900万円(33.3%増)、営業利益1億5900万円(151.8%増)。『リィンカーネーションの花弁』、『転生貴族の異世界冒険録』が好調だった。また電子書籍の売上げが巣ごもり需要の影響で好調であった。