DCコミックスと講談社・モーニングが共同プロジェクト、国内作家で「バットマン」連載

『BATMAN JUSTICE BUSTER(バットマン ジャスティスバスター)』『ワンオペJOKER』

 マンガ・コミックの日米有力出版社が手を組んで、新しいかたちの作品創出に乗り出すことになった。国内出版大手の講談社は、「スーパーマン」や「バットマン」でお馴染みの米国DCコミックスと共同プロジェクトをスタートすると発表した。
 第1弾として、青年マンガ誌の「モーニング」2021年4・5合併号(2020年12月24日発売)から『BATMAN JUSTICE BUSTER』の連載を開始する。「バットマン」を題材にした完全オリジナルストーリーで、日本のマンガ家清水栄一と下口智裕が手がける。
 さらに2021年6号(2021年1月7日発売)では、「ジョーカー」を主人公とした新作『ワンオペJOKER』が連載となる。こちらは原作:宮川サトシ、作画を後藤慶介。いずれも日本の作家が、日本の雑誌を活躍の場とするのが特徴だ。

 DCコミックスは、米国のコミックス界でマーベルと並ぶ二大出版社のひとつだ。「スーパーマン」、「バットマン」の他、「ワンダーウーマン」、「ザ・フラッシュ」、「アクアマン」など数々の人気シリーズを保有する。多くの作品が映画、テレビドラマ、アニメーションと映像化もされている。
 日本側の意気込みが大きい。『BATMAN JUSTICE BUSTER』の清水栄一と下口智裕は、Netflixオリジナルアニメ化もされた『ULTRAMAN』や『鉄のラインバレル』の作者でもある。実力には定評がある。
 『ワンオペJOKER』には新鋭の作家を投入する。『宇宙戦艦ティラミス』の宮川サトシと本作が連載デビューとなる後藤慶介を起用する。敵役と知られるジョーカーが子育てに奮闘する異色のストーリーになる。講談社が運営するウェブサイト「コミックDAYS」でも同時連載する。

 DCコミックスのキャラクターは、これまで劇場映画で広く親しまれてきた。しかし他のメディア展開は限定的だった。キャラクター達の本丸というべきコミックでも、日本に展開したいとの思惑がありそうだ。作品のさらなる展開は今後の評価・反応を待つことになるが、米国への逆上陸も期待したいところだ。

『BATMAN JUSTICE BUSTER(バットマン ジャスティスバスター)』
清水栄一×下口智裕

『ワンオペJOKER』
原作:宮川サトシ 作画:後藤慶介

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