ゴジラがTVアニメ、21年4月「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」ボンズとオレンジ制作で

「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」

 国内外の大作映画化、劇場アニメ、キャラクター商品展開と、近年積極的なフランチャイズを進める「ゴジラ」が、またひとつ大きな映像制作に乗り出す。東宝はゴジラを題材にした新作テレビシリーズ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』を製作する。
 2021年4月にテレビ放送を開始。またNetflixでは国内先行配信をしたのち、全世界独占配信を行う。ストーリーはまだ明らかにしていないが、完全オリジナルの新作でこれまでに見たことのないビジュアルとストーリーを届けるという。映画に加えたテレビアニメの登場は「ゴジラ」の知名度を世界のより広い層に届け、今後のさらなるビジネス展開につなげることになる。

 ゴジラは1954年に劇場映画として登場、以来日本の怪獣映画を代表するアイコンとして知られるようになった。これまでにたびたび映像化され、2016年には庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』が興行収入82.5億円と記録的な大ヒットとなった。米国でもハリウッド実写版『GODZILLA ゴジラ』(2014)、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)が製作され、こちらも大ヒットになった。誕生から66年経っても、いまだ新鮮を失わない。
 アニメでは2017年から18年にかけて『GODZILLA 怪獣惑星』、『~決戦機動増殖都市』、『~星を喰う者』の3部作が公開された。しかし、テレビアニメになるのは日本初だ。大きな話題になるだろう。

 『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』のアニメーション制作陣からも、相当の意欲作であることが伝わる。アニメーション制作は手描き2DアニメとセルルックCGアニメでそれぞれ高い評価を受けるボンズとオレンジを起用する。
 ボンズは『僕のヒーローアカデミア』や『鋼の錬金術師』、『交響詩篇エウレカセブン』などのヒット作で有名だ。オレンジは『宝石の国』『BEASTARS<ビースターズ>』と続けて話題作を放ち、いま最も注目を集めるCGアニメスタジのひとつである。手描きアニメとCGのハイブリッドが見所になる。

 監督は『RIDEBACK -ライドバック-』では骨太なドラマを『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』や『青の祓魔師 ―劇場版―』では子供や少年向けを巧みに演出する高橋敦史。またシリーズ構成・脚本に日本を代表するSF作家の円城塔が務める。初のアニメシリーズ構成は全話を担当、脚本も全て手がけるとするから円城色が濃くなりそうだ。
 またキャラクターデザイン原案を『青の祓魔師』の作者である加藤和恵が担当。怪獣デザインはスタジオジブリで活躍してきた山森英司と実力派が揃う。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』
http://godzilla-sp.jp

監督: 高橋敦史 
シリーズ構成・脚本: 円城塔
キャラクターデザイン原案: 加藤和恵
怪獣デザイン: 山森英司
音楽: 沢田完
アニメーション制作: ボンズ×オレンジ

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