田辺聖子の小説を原作に、人気スタジオのボンズがアニメーション制作する劇場映画『ジョゼと虎と魚たち』が、国際映画祭の大舞台でお披露目されることになった。韓国を代表する映画祭である第25回釜山国際映画祭のクロージング作品に本作が決定した。
『ジョゼと虎と魚たち』は、もともと2020年夏の公開を予定していた。しかし新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、公開日を2020年12月25日に延期している。これまでに観客に向けた上映はしておらず、これまでのところ他の場所での上映も発表されていない。釜山国際映画祭がワールドプレミアの場所となりそうだ。
釜山国際映画祭は1996年にスタートした韓国最大の国際映画祭で、国際映画製作者連盟にも公認されている。併催される国際見本市アジアコンテンツ&フィルム見本市もよく知られている。
実写が中心の大型映画祭だけに、クロージング作品に日本のアニメ映画を持ってきたのは異例だ。オープニング作品には、サモ・ハン・キンポー、アン・ホイ、パトリック・タムら7人の大物監督が共作する香港の『Septet: The Story Of Hong Kong』が決まっている。
『ジョゼと虎と魚たち』は、2003年に妻夫木聡、池脇千鶴の主演、犬童一心監督の実写映画が名高い。今回は17年ぶりの映像化となるが、監督には『ノラガミ』のタムラコータロー、キャラクターデザイン・総作画監督には『リトルバスターズ!』『クジラの子らは砂上に歌う』の飯塚晴子を起用する。
『鋼の錬金術師』や『文豪ストレイドッグス』でお馴染みのボンズがどのように映像表現するかも注目される。国際舞台でのスタートに、その反響お期待される。
釜山国際映画祭は、当初10月1日から10月10日まで予定していた。しかし新型コロナウイルスの感染拡大の影響を懸念して、開幕を10月21日と2週間後ろ倒しにした。閉幕は10月30日になり、『ジョゼと虎と魚たち』もこの日に上映される。
日本では10月31日から東京国際映画祭が、やはり10日間の予定でスタートする。アジアを代表する映画祭が間を空けることなく続くことになる。
第25回釜山国際映画祭
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