スマホアプリゲーム運営のKLabの2020年12月期第2四半期決算は、売上高が159億4800万円の7.7%増と引き続き事業成長を維持した。KLabはアニメやマンガ作品をベースにしたスマホアプリゲームを得意としており、ブランド力の高さが売上げを牽引している。
一方でゲーム売上高増加に伴い、支払い手数料と使用料も拡大したことから売上げ原価が17.8%増となった。これが利益を圧縮した。営業利益は7億5300万円(42.2%減)、経常利益は5億6800万円(52.8%)減、また海外向事業コンサルティングの完全子会社スパイスマートの4億9800万円の減損損失を計上したことで、当期純利益は98%減の1600万円となった。
主要タイトルで好調だったのは、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』『BLEACH Brave Souls』。『キャプテン翼』は中国展開も開始し、『BLEACH Brave Souls』も配信エリアを拡大している。海外売上は四半期単独では過去最高の32億5000万円に達した。
2020年12月期以降の業績も、アニメやマンガとの連動が大きな鍵になりそうだ。第2四半期中は、新たに国内外で人気の『ジョジョの奇妙な冒険』のゲーム配信権を獲得している。また4月には国内有力アニメスタジオの ぴえろ と、資本業務提携を結んでいる。人気アニメタイトルとの連携を強固にすることで事業の成長を狙う。
同時に他社作品への依存から脱却も狙う。2020年7月にはKADOKAWAと共同開発する自社コンテンツ『ラピスライツ』のテレビ放送を開始している。ゲームは中国の盛趣社と共同開発中し、日本語版はKLabが、中国語版は中国のビリビリからのリリースを予定する。7月からは、やはり自社コンテンツの『禍つヴァールハイト』の中国展開も始まった。
さらに米国の大手ゲームパブリッシャーのエレクトロニック・アーツと業務提携契約を締結した。モバイルオンラインゲームの開発と運営により、事業拡大を進める。