日本アニメの海外配信大手クランチロールは、2020年5月に日本とアジアでのコンテンツ戦略・事業開発責任者としてジュリアン・ライハン氏が就任したと発表した。クランチロールは近年は同社出資のオリジナルアニメの開発・製作を推進しているが、ライハン氏は東京を拠点にそうした作品の戦略構築と推進に取り組む。さらに新規パートナーとの新規事業創出も目指す。
ライハン氏はワーナー・ブラザーズでグローバル配信やセールス事業を担当、さらにNetflixの日本進出の際のサービス立上げを担当した。日本のエンタテイメント・コンテンツ産業に熟知した人物として知られている。
Netflixではアニメ部門のコンテンツディレクターを務めた。『GODZILLA 怪獣惑星』などのプロデューサーでもあった。日本のアニメ作品、産業にも詳しい。
ライハン氏はクランチロールでのビジネスについて、「私はアニメクリエイターを深く尊敬しています。このほど、地球上で最大のアニメブランドに参加することになり、とてもわくわくしています。日本のパートナーの皆さんと一緒に、世界中のアニメファンにより一層楽しんでもらえるように尽力します」と語っている。
クランチロールは2006年に米国で動画のファン投稿サイトとしてスタート。その後、資本関係の変遷を経て、現在は大手エンタメ企業ワーナー メディアの傘下にある。
資本の増強を背景に配信だけでなく、自社製作のアニメに乗り出している。オリジナル作品は日本と米国の双方で制作しているが、日本国内での製作ビジネスの経験の少なさがネックとなっていた。そこで、日本のアニメとグローバル配信の双方の分野に精通したライハン氏に白羽の矢を立てたかたちだ。