小規模映画館支援クラウドファンド「ミニシアター・エイド基金」1日で6000万円突破

「ミニシアター・エイド基金」

 新型コロナの感染が広がる中で、3月以降に多くのエンタテイメントが活動自粛を余儀なくされている。映画興行もそのひとつだが、これが多くの映画館の経営を厳しい状況に追い込んでいる。なかでも資本力が弱い独立系映画館への影響は甚大だ。閉館の危機に直面するケースも出始めている。
 そんな「ミニシアター」の経営を守ろうと、国内の映画関係者が動き出した。深田晃司、濱口竜介の両監督らが中心になり、ミニシアター支援のためのクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」をスタートさせた。小規模映画館を守る「ミニシアター・エイド基金」を発足させ、そのためのクラウドファンディングが開始した。

 映画やエンタテイメント関連のクラウドファンディング・プラットフォームMotionGalleryが、プロジェクトに協力をする。4月13日(月)からクラウドファンディングをスタートし、ネットを通じて資金援助を募っている。集まった資金からは決済手数料(5%)だけを除外し、Motion Galleryは手数料を手にすることなく全額をプロジェクトに渡す。これが全国67のミニシアター劇場の援助に充てられる。
 クラウドファンディングの参加者は、感謝のメッセージのほか支援金額に応じて映画館のチケットやネット上での映画鑑賞サービスを提供する。劇場のサポートをしながら映画も楽しめるというわけだ。

 こうしたミニシアターには、国内外のアニメーション映画の上映にも熱心な館も多い。新海誠監督の『ほしのこえ』、最近では中国の『羅小黒戦記』といった小規模を上映を皮切りに大きな話題を生み出した作品も少なくない。
 ミニシアターがなくなれば、日本のアニメーション文化も貧しくなるに違いない。ミニシアターの存亡はアニメーション業界とも無関係ではない。

 支援規模が大きいだけに、目標とするクラウドファンディングの金額も1億円とかなり大きなものとなった。これはMotion Galleryで過去最大の案件である5500万円を大きく上回る。
 ところがスタート当初から多くの支援者が集まり、開始から丸一日で5000人超、6000万円超の支援金が集まった。瞬く間に目標の6割にまで達した。さらに2日目に入った14日の夜には7500万円まで膨れあがり、目標の3/4となっている。ミニシアターの文化を守りたいとする、多くの映画ファンの気持ちを結集させた。
 新型コロナの影響はまだしばらく続くそうだ。しかし、状況が落ち着けば多くの人が映画館に戻ってくることになるだろう。その時の戻る場所を維持するためにも、「ミニシアター・エイド基金」の活動はまだまだ広がりそうだ。

ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金
https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid

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