スマホアプリゲームの有力企業コロプラが、M&Aを通じて有力IPの確保に乗り出した。2020年3月30日、コロプラはゲームや音楽のエンテインメント企業MAGESの全株式を取得して、完全子会社化することを発表した。
4月3日付けで発行済の全株式260株を、CHIYOMARU STUDIOから15億円で取得する。取得価額はこのほかアドバイザリー費用を加えて16億1200万円となるが、買収後の業績に応じて5億円から10億円の追加買い取り価額が発生する場合がある。
コロプラは2003年に現代表取締役社長の馬場功淳氏が開発したモバイルゲームから事業化をスタート、2008年に法人化した。『コロニーな生活』、『白猫』といったヒット作がある。現在はグループ全体で1300名以上の社員がいる有力企業の一角だ。これまでもM&Aを通じて事業拡大をしてきたが、MAGES.の取得はとりわけ大きな意味を持ちそうだ。
MAGES.はドワンゴ子会社のAG-ONEと、音楽プロデューサーとしても知られる志倉千代丸氏らが設立した5pb.の合併により2011年に設立された。ゲームや音楽分野に定評があるほか、イベントやアニメ製作出資など幅広いエンタテイメント事業を手がける。なかでも『STEINS;GATE』、『B-PROJECT』といったヒット作を保有するのが、MAGES.の強みになっている。
2019年にはドワンゴがKADOKAWAの完全子会社となるなどの事業再編のタイミングで、志倉千代丸氏が経営するCHIYOMARU STUDIOが事業を買い取った。今回はそれをコロプラがあらためて買収するかたちになる。
スマホアプリゲーム業界は過去数年でさらに競争が激化しており、各社は有力IPの創出を中心とした新事業に注力している。コロプラも「IP 創出」の創出を掲げている。2020年4月からテレビシリーズ『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』もスタートし、自社IPの強化と認知度向上を目指す。
さらにMAGES.の買収を通じて、人気作品の取り込みを実現した。コロプラはMAGES.はグループに加わることで、財務基盤および経営管理体制を強化され事業創出の力を拡大できるとする。これを通じてコロプラグループ全体の企業価値も高まるというわけだ。