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動画配信市場22.4%増 Netflix躍進、国内通信社系が退潮
- 2020/2/14
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映画・映像のマーケティングデータ分析のGEM Partnersは、2020年2月13日に「動画配信(VOD)市場5年間予測(2020-2024年)レポート」を発行した。同社が毎年実施する動画配信ビジネスの調査をまとめたものである。
発行に合わせてGEM Partnersは、国内動画市場規模の推計、今後の予測などを発表している。確かな数字の集計しにくい動画配信市場における貴重な情報となっている。
最も注目されるところでは、2019年の動画配信市場規模である。GEM Partnersは自社の消費者調査の結果に基づいて、2692億円と推計した。前年比22.4%増と昨年の19%をさらに上回る高い伸びとなった。昨今の動画配信市場の急成長を裏付けるものになる。
2019年の映画興行収入は2611億円(日本映画製作者連盟調べ)のため、動画配信市場はすでに劇場興行とほぼ同じ規模を持っている。さらにそれを上回り、すでに映画・映像ビジネスのコアマーケットと言っていいだろう。
配信市場のうち、現在注目されることが多い定額課金見放題サービスのSVODが2158億円と全体の8割を占めた。成長を牽引するのはSVODという認識は間違なさそうだ。
番組視聴ごとに課金するTVODは11.6%、ダウンロードで番組買切りとなるESTは8.2%にとどまっている。DVDやBlu‐rayなどで手元に作品を残すことの多かった映像パッケージビジネスとかなり異なった特徴だ。
定額課金見放題(SVOD)の市場シェアを推計しているのもGEM Partnersの調査の貴重なところだ。配信プラットフォームは、契約世帯数や売上高は非公表な企業が多く、なかなか実態が掴めないからだ。
2019年の大きなトピックはNetflixの躍進だろう。市場シェアを18年の8.4%から13.8%に伸ばした。マーケット全体の成長も考えれば、契約数をかなり伸ばしたことになる。サービス別シェアでは5位から1位に、躍り出た。Netflixは18年夏の段階で300万人を突破したと発表している。
Amazonプライム ビデオも9.3%から10.9%に拡大した。スポーツに特化したDAZNはシェアこそ11.7%から11.2&に落としたが、契約自体は増加したと見てよさそうだ。外資系3社の合計シェアは30.6%から35.9%になり、外資の勢いを感じさせる。
一方で不調だったのは、国内通信会社系のサービスである。NTTドコモ系のdTVは13.0%から9.7%、dアニメストアは5.2%から4.4%にシェアを落とした。au系のビデオパスは5.2%から4.4%、ソフトバンク系のアニメ放題も2.3%から1.8%に後退した。
GEM Partnersでは、動画配信市場の今後5年間の動向も予想している。予想は「ベース」「楽観」「悲観」の3つのシナリオを描いており、平準予測にあたる「ベース」でも今後5年間は年平均10.3%成長、2024年には4389億円市場になるとしている。
GEM Standard(ジェムスタンダード)
https://gem-standard.com/p/products/134