東京・新宿区早稲田にある明治大学現代マンガ図書館が移転する。現在の早稲田の施設を閉鎖し、2020年秋以降、明治大学駿河台キャンパス内に新たに設置される。
移転後は同じく千代田区神田地区にあるもうひとつのマンガ関連施設である明治大学米沢嘉博記念図書館と複合的な運営を行う予定だという。蔵書・資料の管理・保管、それに使い勝手も大きく向上することになりそうだ。
また移転に伴う運用変更の準備作業のため、2019年12月16日より2020年秋頃まで施設を一時休館する。また友の会会員の新規入会も受付を一時停止している。
現代マンガ図書館は、貸本屋経営をしていた内記稔夫氏が自らコレクションしていた10万点を超えるコレクションを一般公開したことから始まったマンガ専門図書館として知られる。その歴史は40年を超える。貴重な過去のマンガを閲覧できる施設として、1997年には第一回手塚治虫文化賞特別賞を受賞している。
内記氏は2012年に逝去されるが、それに先立つ2009年に運営が明治大学に移管されている。大学の付属施設として貴重なコレクションと運営を引き継いだ。
膨大なコレクションは、マンガの単行本や雑誌を中心に約18万点。マンガ分野では国内最大級の蔵書数を誇る。なかで1950年代に発行された貸本マンガは貴重な資料だ。また同人誌や海外作品、アニメ雑誌、アニメシナリオ、アニメ映画のパンフレット、マンガ原画やアニメのセル画、ビデオ、キャラクターグッズやポスターまで幅広くカバーする。
一方で米沢嘉博記念図書館は、2006年に逝去したマンガ評論家・米沢嘉博氏の旧蔵書を中心に収蔵している。こちらもマンガの単行本・雑誌、さらにSF・アニメ・映画などの雑誌からなる。特に米沢氏が氏コミックマーケット準備会代表を務めていたことから同人誌が充実する。蔵書数は十数万点とされている。
明治大学は異なる流れを持つふたつの大きなコレクションを所有していたが、いよいよこれを一体的に運用することになる。運営の効率化、そして利用者の利便も大きく改善されることになる。
明治大学現代マンガ図書館
https://www.sites.google.com/site/naikilib/
明治大学米沢嘉博記念図書館
https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/index.html