フジテレビが”ボーイズラブ“ 3つめのアニメブランド「BLUE LYNX」で展開

テレビ

 2005年に立ちあげた「ノイタミナ」は、フジテレビのアニメ事業において大きな成功となった。それまで不得意としていたヤングアダルト向け、深夜アニメの新たなビジネスを開発したからだ。
 ノイタミナのスタートから10年を超えるなかで、フジテレビはさらにアニメ事業にアクセルを踏んでいる。2018年10月からは新たな深夜アニメ枠「+Ultra」を開始。グローバルに向けたエッジの効いたテレビアニメ製作を打ち出した。
 さらに2019年、フジテレビにとって3つめのアニメブランドなる「BLUE LYNX」(ブルーリンクス)の立上げが明らかになった。新たなレーベルはBL(ボーイズラブ)に特化して、アニメを制作する。レーベル公式サイトでは小説家・三浦しをんとイラストレーター・丹地陽子がコラボレーションするイラストショートストーリーを公開するなど気合もたっぷりだ。

 BL(ボーイズラブ)とは男性同士の恋愛をテーマにした女性向けのジャンルである。長年、多くの熱心なファンに支えられ、小説・マンガの傑作を輩出している。アニメでも2016年には劇場アニメ『同級生』やテレビシリーズ『抱かれたい男1位に脅されています。』(2018年)などの話題作がある。
 そうではあっても大きめのニッチ(隙間)なジャンル。大手地上波放送局であるフジテレビの本格的な進出は驚きだ。BLに向ける企業の姿勢が、時代の変化を感じさせる。
 
 「BLUE LYNX」は劇場アニメを中心としたレーベルとなる。テレビシリーズと劇場アニメの「ノイタミナ」、テレビアニメと配信も重視する「+Ultra」と、ビジネスモデルも異なる。近年新作アニメの展開のモデルのひとつになっている個性の強い作品を数を絞った劇場で公開するかたちをとるとみられる。そうした点で、ファンの熱度の高いBLはぴったりなのかもしれない。
 レーベルの第1作は、ヨネダコウの人気マンガ『囀る鳥は羽ばたかない』となる。ヤクザの矢代と元警官の用心棒・百目鬼の関係と行方を描く。劇場公開は今冬としているが、配給会社は未発表。また第一章としており、こちらも近年多い複数のシリーズでの劇場展開になるとみられる。

 アニメーション制作は、2017年12月に設立されたばかりのGRIZZLYが担当する。立上げから1年あまりだが、すでに『ヤリチン☆ビッチ部』でBLアニメの実績がある。
 監督の牧田佳織は『BANANA FISH』や『将国のアルタイル』などで活躍するが、本作が初監督になる。脚本の瀬古浩司は『BANANA FISH』、『終わりのセラフ』、『モブサイコ100』などの代表作がある。ともにファンの期待を高めるのにも十分な布陣だ。

「BLUE LYNX」 http://bluelynx-label.com/

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