中国での日本映画の劇場公開が、引き続き堅調な動きを続けている。2015年の『STAND BY ME ドラえもん』、2016年の『君の名は。』のようなメガヒットはないが手堅い観客動員数を背景に公開本数が増加。中国公開された海外映画では国別で本数、興行収入とも第2位を固めている。
2019年もスタートから2ヵ月半だが、サプライズなヒットが現れた。3月7日に公開された『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』が、公開から3日間(水曜日~土曜日)で、興行収入が6420万元に達した。日本円で約10億6000万円、日本では2018年9月19日に公開して興行収入で7億円超えのヒットとなったが、中国興行はこの数字も上回った。
公開初日は興行収入ランキング1位で登場、金曜日、土曜日は『キャプテンマーベル』、『グリーンブック』に続き第3位。日曜日も勢いがあり、週末興収でもベスト3入りを窺う。興行収入も最終的にさらに伸びそうだ。
『夏目友人帳』は、妖怪が見える主人公・夏目貴志が祖母の残した「友人帳」から様々な妖怪と関わる緑川ゆきの人気マンガ。これを原作に2008年よりアニメ化されている。テレビアニメは6シーズン、さらにOVAとロングランで人気を誇ってきた。
今回は満を持しての初の劇場映画となったが、日本に続き、中国でも予想を超える人気となった。長年のファンの気持ちをがっちりと掴んだ結果だろう。
邦画全体では、2019年の中国公開本数は、3月第2週までですでに7本に達している。引き続きアニメが多く、うつ5本を占める。『Fate』『君の膵臓を食べたい』『さよならの』『マジンガーZ』が含まれる。 『夏目友人帳』はこのなかで、興行成績で頭ひとつ飛び出したかたちだ。
日本アニメでは3月15日に、日本そして米国でもサプライズヒットになった『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の 英雄 ヒーロー ~』の中国公開も控えている。こちらの行方も目が離せない。