「月刊ヒーローズ」がアスミック・エースと業務提携 映像・ゲーム化やライツ展開、共同開発も

提携

 セブン-イレブン限定販売と異色の流通で創刊時より注目を浴びてきたマンガ誌「月刊ヒーローズ」が、7年目を迎えると共に新たなビジネス展開をする。この11月より雑誌を刊行する株式会社ヒーローズが、アスミック・エースと業務提携を開始した。
 業務提携を通じて、「月刊ヒーローズ」で連載する作品などの映像化やゲーム化などのメディア展開の強化を目指す。また商品化やライセンス事業も拡大する。

 アスミック・エースは国内外の映画製作・配給・ソフト・配信、さらにアニメのライゼンス管理など映像関連の総合企業である。ジュピターテレコムの子会社で、同社の株主であるKDDIと住友商事を中心にコンテンツビジネスの幅広いネットワークを持つ。
 アスミック・エース、住友商事は近年、アニメ化などを軸にコンテンツ・キャラクター事業に積極的に進出している。今回の業務提携もそうした一環とみてよさそうだ。
 提携では、ヒーローズ作品のメディア展開での運用と事業スキーム構築、ビジネス提案を検討する。さらにオリジナルコンテンツ創出と原作開発の推進にも言及している。多くのヒット作を持つ「月刊ヒーローズ」を活用することで、有力コンテンツへの足場を築く狙いがありそうだ。

 株式会社ヒーローズは、2011年に小学館クリエイティブとフィールズの共同出資により新たなマンガ出版社として設立された。刊行する「月刊ヒーローズ」は、“ヒーロー”をコンセプトに人気作家から新人まで多くの作品を掲載する。
 『ULTRAMAN』、『アトム・ザ・ビギニング』、『マジェスティックプリンス』などの話題作を輩出してきた。NHKで放送された『アトム・ザ・ビギニング』やNetflixオリジナルの『ソードガイ 装刀凱』などアニメ化された作品も多い。現在は単行本の累計発行部数280万部を超える『ULTRAMAN』の映像化をプロダクション I.GなどCGアニメーション制作で進めている。こちらもNetflixオリジナルアニメになる。
 これまでは出資会社のひとつフィールズが、メディア展開で大きな役割を担ってきた。しかし近年フィールズは、主軸の遊技機関連事業が不振でコンテンツ事業への投資が弱まっている。そこでアスミック・エースの協力を得ることで、メディア展開やライツ開発を強化するとみられる。

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