アニメに映画・ドラマも、マンガアプリで躍進カカオジャパンが「ピッコマTV」スタート

ピッコマTV

 スマホアプリなどのIT企業カカオジャパンが、2018年7月26日より、ドラマやアニメ、映画などを視聴できる動画配信サービス「ピッコマTV」を開始した。ピッコマTVは、カカオジャパンが提供するマンガアプリ「ピッコマ」の動画版の位置づけだ。
 ピッコマは基本無料でマンガを読める一方で、より早く、より多く作品を楽しむにはプラスアルファの課金を必要とする仕組みが特長になっている。2016年4月20日にリリースし、スタートから2年あまりとなった今年7月には累計ダウンロード数が1000万を超えるほどの人気となった。収益性の高さも特長のひとつで、現在最も勢いのあるマンガアプリとして注目されている。
 ピッコマTVでは、ピッコマ成長の原動力となった「待てば無料」、「より早い視聴は有料」のビジネスモデルを持ち込む。また現在の視聴はスマートフォンだけだが、今後はタブレットやウェブ、スマートテレビへの対応も進めると積極的だ。

 サービス開始時のラインナップでは、主要なジャンルに「ドラマ」「アニメ」「映画」の三つが打ち立てられている。ドラマでは『アンフェア』、『GTO』、『結婚できない男』など、映画では『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』といった話題作が並ぶ。
 アニメでは、『弱虫ペダル』、『orange』、『宇宙戦艦ティラミス』がある。なかでも『弱虫ペダル』は公式サイトでも大きくアピールされ、ピッコマTVの目玉タイトルであることがわかる。サービススタート時に、アニメファンを大きく取りこみたいと狙いが見える。

 ピッコマTVを運営するカカオジャパンの親会社カカオは、韓国の大手IT企業。なかでもメッセージアプリに「カカオトーク」は、同国で圧倒的なシェアを誇る。ここを起点に様々なITサービスを提供する。「ピッコマ」もそのひとつだ。
 さらに海外展開として、日本に狙いを定める。ピッコマはその切札というわけだ。カカオジャパンは日本だけでなく、アジアグローバルのコンテンツプラットフォーム構築を目指すとしている。

 またカカオジャパンは、今年5月にカカオ、グループ会社のポドツリーなどを引受先に約100億円の大型資金調達を実施している。調達資金はピッコマとピッコマTV向けの作品、コンテンツへの投資、マーケティングに使うとしていた。
 日本国内の動画配信サービスは現在、数が多く過当競争とも言われている。しかし、カカオジパンのコンテンツ投資の資金は豊富だ。新しいビジネスモデルと合わせて、今後日本の動画配信でどんな存在感をみせるのかが注目される。

カカオジャパン
http://www.kakao.co.jp/i
ピッコマTV
https://piccomatv.com

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