アニプレックスがアニメのシナリオ部門設立 ルーム長に伊藤智彦、所属ライターも募集

アニプレックス「スクリプトルーム」

アニメ製作の大手アニプレックスが、2016年秋からまた新たな事業に乗り出す。アニメのシナリオをはじめ、作品のテキストの仕事に携わる「スクリプトルーム」を新設する。部門のトップとなるルーム長には、「ソードアート・オンライン」シリーズや、『僕だけがいない街』などのヒット作を手掛けるアニメーション監督の伊藤智彦氏を起用する。
また、ルーム立ち上げに合わせて、制作チームのライターも一般募集する。9月15日から30日まで特設サイトにてエントリーを受け付ける。応募資格は不問で、契約人数は若干名となる。

アニプレックスは、アニメ・実写の企画・製作を中心に映像パッケージ、アニメ音楽、イベントなど幅広いビジネスを手がける。アニメ制作のスタジオA-1 Picturesも子会社に抱える総合アニメ企業だ。
近年は海外展開や、『Fate/Grand Order』などのスマホアプリ進出などにも積極的で、事業領域を拡大している。昨今のアニメビジネスの広がりを象徴する存在である。

そのアニプレックスが新たな事業としてシナリオにフォーカスする。国内のアニメ製作会社がシナリオを独立部門として設ける例は珍しい。
「スクリプトルーム」は、アニプレックスの企画制作グループと連携したアニメ作品のシナリオ制作を目指す。同時に制作、宣伝に関わるテキストの作成も行う。シナリオだけでなく、作品に関わる様々なテキストも打ち出すのも新しい。アニメに関わる文章の仕事はシナリオに留まらないというわけだ。
アニプレックスは「スクリプトルーム」通じて、新たなアプローチからアニメ制作につながる組織を目指す。同時に新たな才能発掘もするとしている。人材育成も大きな目的だ。日本のアニメはシナリオが弱いと指摘されることが少なくないが、製作会社が自らこの部分の強化に乗り出す。

制作現場で経験豊かな伊藤智彦氏が、シナリオ監修するだけに期待もかかる。伊藤氏は、ルーム立ち上げについて、一つの作品に集団で取り組むシナリオチームを作りたい、ゆくゆくはピクサーのようなシナリオチームに発展させたいとする。
近年、制作現場ではデジタルの導入で、映像制作の手法が大きく変わりつつある。一方、ビジネスの部分では映像配信の普及、海外と関わりでこちらも大きく様相を変えている。アニメーションのストーリーの根幹をなすシナリオも大きく変わるのか、アニプレックスの新たな試みが関心を集めそうだ。

「スクリプトルーム」エントリーサイト http://www.aniplex.co.jp/scriptroom

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