アニメ企画・製作の大手創通が2018年5月期決算期末を控える中で、業績予想の見通しを下方修正した。連結売上高で当初見通しから17.1%、営業利益、経常利益、当期純利益もそれぞれ14.3%から18.6%引き下げた。
売上高は当初の210億円から174億円に、営業利益は31億2000万円から25億4000万円、経常利益は31億3000万円から26億2000万円、当期純利益は21億円から18億円に変更された。この結果、売上げ、各利益はいずれも前年比でマイナス予想となる。これまでは増収増益としてたが一転して減収減益になる。
業績修正の理由のひとつは、アニメ製作をする際に組織する製作委員会の組成が計画どおり実現しなかったためである。プロデュース作品が減り、制作受託収入、放送事業収入が予想を下回った。ライツ事業も期初予想を下回った。
創通のアニメ事業は製作委員会のなかで主幹事となることで、幹事手数料や製作委員会からの配分収入、また作品に関連するプロモーション、放送をアレンジすることからの売上げや利益が多かった。参加する製作委員会の数、プロデュース作品の減少が、売上げに影響する。
製作委員会の組成が計画通りに進まなかったことについて創通は、アニメ事業環境の変化への対応の遅れを挙げている。現在、アニメ業界では製作委員会の投資効率が悪化しており、それ以外のスキームで作品を作る傾向が顕著になっているとしている。そのなかで創通は従来型の製作委員会方式に業務が偏重していた。
今期の業績を受けて創通は来期は、新しいスキームによるアニメ作品づくりを増やし、アニメ事業の投資効率化を目指す。