バンダイナムコHDが通期利益予想を下方修正、オンラインゲームで評価損や5タイトル以上開発中止

ファイナンス決算

 ゲームタイトルの大型ヒットやガンダム、ワンピースなどの人気タイトルに牽引されてきたバンダイナムコホールディングスの業績に頭打ち感がでてきた。
 2024年2月14日に、バンダイナムコHDが発表した2024年3月期第3四半期決算は、連結売上高は7740億3500万円と前年同期の3.9%増であったが、利益面では大幅減となった。営業利益は782億8200万円で26.3%減、経常利益は896億3000万円の23.4%減である。当期純利益も603億9800万円(28.5%減)だ。
 トイホビー事業は大人向け商品や「ONE PIECE」トレーディングカードが好調だったが、ゲーム関連のデジタル事業が不調だった。今期新たに投入したオンラインゲームの新作タイトルが不調で評価損を計上したことに加え、新作ゲームタイトル編成を見直してオンラインゲームを中心に5タイトル以上の開発を中止、処分損を計上した。評価損と処分損は約210億円となった。

 これに合せて2月14日には、2024年3月期通期決算の業績予想の修正もした。通期連結売上高で初の1兆円を変更しなかったが、営業利益1250億円から820億円、経常利益は1340億円から930億円に引き下げる。いずれも前年増益予想が減益予想となる。こちらも主要な要因は、デジタル事業の評価損、処分損によるものだ。
 一方で当期純利益については、910億円から未定に変更した。同社が保有株式の東映アニメーション311万株を株式売り出しにより売却するためだ。投資有価証券売却益は第4四半期計上する予定である。
 東映アニメーション株は過去数年で大幅に値上がりしており、大きな特別利益が見込まれる。最終的には評価損と処分損を大きくカバーする可能性もある。バンダイナムコHDは、売却価格が決定次開示するとしている。

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