音楽著作権管理団体のJASARACは、5月25日に2018年JASRAC賞を発表した。JASRAC賞は前年の一年間の著作権収入を部門ごとに集計し、分配金額の大きかった楽曲を顕彰するものだ。
国内作品で分配金額がもっとも大きかった金賞は星野源作詞作曲の『恋』、その次の銀賞は人気ゲームでお馴染みの『ドラゴンクエスト序曲』(作曲・ずぎやまこういち)だった。『ドラゴンクエスト序曲』は、ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのCMに継続的に利用されことが大きかった、前年の銅賞よりひとつランクを挙げた。
毎年、アニメ関連楽曲の活躍が注目されるの、外国入金 国内作品ベスト10である。テレビ放送などを通じて、海外で多く活用されることから多くの曲が上位にランキングされるためである。
今回もトップとなる国際賞はアニメ関連楽興であった。菊池俊輔作曲の「ドラゴンボールBGM(TV)」である。世界各地でテレビ放送が繰り返されているその人気を証明した。シリーズはテレビアニメだけでなく、ゲームソフト、スマホアプリゲーム、キャラクターグッズなど、海外で多くのファンの支持を集めている。
また2位には『進撃の巨人 BGM』、3位には『ポケットモンスター BGM』とベスト3はアニメで占めた。7位『家なき子 BGM』や9位『名犬ジョリイ BGM』はやや意外なところだが、往年の名作がいまでも広く海外で放送されていることが判る。
これまでに日本の国内アニメがベスト10を生めることが多かったが、2017年は新たな動きもある。4位の『op.1』は海外で広く活動する電子音楽の池田亮司の楽曲、6位『TEARS』は海外で人気の高いビジュアルアーティストYOSHIKIの楽曲である。
また8位の『PAC-MAN AND THE GHOSTLY ADVENTURES BGM-』は日本で制作された米国向のCGアニメの楽曲である。グローバルのエンタテイメントビジネスの変化もランキングは反映している。
2017年のJASRACにより著作権使用徴収料は全体で1096億4700万円だった、前年比で1.9%の減少である。
演奏がほぼ前年並み(0.9%増)の591億2600万円だったのに対して、パッケージソフトを中心とした録音が12.7%減、パッケージレンタルを目的に貸与が15.1%減となった。それぞれパッケージ市場とレンタル市場の縮小が響いた。
一方で、インタラクティブ配信が前年比24.1%増(141億9800万)と大きく伸びた。定額課金型のサービズや動画投稿サイトの利用が増加しているとしている。ここでも現在の動画配信の勢いが現れている。
[外国入金 国内作品 ベスト10]
1 ドラゴンボールZ BGM(TV) (菊池俊輔)
2 進撃の巨人BGM (澤野弘之)
3 ポケットモンスターBGM- (宮崎慎二)
4 4op.1 (池田亮司)
5 劇場版FAIRY TAIL 鳳凰の巫女BGM (高梨康治)
6 TEARS (作詞・白鳥瞳/YOSHIKI、作曲・YOSHIK)
7 家なき子BGM- (渡辺岳夫)
8 PAC-MAN AND THE GHOSTLY ADVENTURES BGM (Tetsuya Takahashi)
9 名犬ジョリイBGM (小森昭宏)
10 映画ドラえもん新・のび太の大魔境~ペコと5人の探検隊~BGM (沢田完)