北米の日本アニメのイベントOTAKONが、今年の夏の来場者数を明らかにした。2017年は8月10日から12日までの3日間、ワシントンD.C.のコンベンションセンターで開催され、期間中実数(ユニーク来場者数)で2万4894人となった。延べ人数では6万人から7万人規模と推定される。
OTAKONは1994年に、日本のアニメやマンガ文化のファンイベントとしてスタート。毎年ロサンゼルスで開催されるAnime Expoと共に、日本アニメの2大イベントとして知られる。今年はアニソンアーティストが多数参加した大型ライブ「アニソンワールド祭り」が目玉になったほか、『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の京田知己総監督やアニメーターの松原秀典氏らアニメスタッフなどのゲストも多く招かれた。
OTAKONは数万人規模のファンを集める大型イベントとして2017年も存在感を発揮した。しかし、集客の面では苦戦している。
来場者数2万4894人は、前年の2万9113人から15%程度と二桁の減少である。2013年には3万4000人を超えていただけに厳しい結果である。
一方、同じ夏にロサンゼルスで開催されたAnime Expoは過去最高の10万7658万人(延べ35万7178人)を記録している。かつては来場者数でAnimeExpoを上回ったこともあるだけに、ライバルイベントに大きく引き離されたかたちだ。
OTAKONは1999年から2016年まで、ワシントンD.C.にも近いボルチモアのコンベンションセンターを会場としてきが、来場者の増加に対応できないことから今年からワシントンD.C.に移転している。しかし、長年お馴染みの会場でなくなったことから、来場者の一部が離れた可能性もありそうだ。
アニメイベントの来場者数は、北米における日本アニメ・マンガ人気の指標としてしばしば用いられる。主要イベントの来場者数減少は、業界関係者にとっても気になるところだろう。会場移転2年目となる18年の動向が関心を集めそうだ。
2018年のOTAKONは、17年と同様ワシントンD.C.コンベンションセンターで、8月10日から12日まで3日間、開催される。