1970年代にマンガとして誕生し、日本のみならず、世界で愛されてきたマンガ家・松本零士の人気キャラクターが2020年以降、相次いで劇場アニメになることが分かった。2017年7月6日、フランス・パリで開幕した日本カルチャーの巨大イベント「Japan Expo 2017」で、劇場アニメ『零世紀 エメラルダス』の製作発表がされた。同日、公式サイト、公式Twitterもオープンし、情報発信を開始した。
本作はシリーズ作品となり、さらに2023年に『零世紀 ハーロック』、2026年に『零世紀 メーテル』も予定している。松本作品の代表的なキャラクターが揃った3部作が掲げられている。プロジェクトの大きさにも驚かされる。
松本零士作品の新作劇場アニメというだけでも驚きだが、アニメーション制作のスタッフがサプライスになっている。監督に『王立宇宙軍 オネアミスの翼』や『アベノ橋魔法☆商店街』の山賀博之、キャラクターデザインに、「エヴァンゲリオン」シリーズ、『時をかける少女』などの貞本義行を起用する。
またアニメーション制作は、大阪に拠点を持つプロダクション・グッドブック。さらに老舗のアニメスタジオであるガイナックスも協力する。スタッフの布陣の豪華さも話題を呼びそうだ。
製作や配給などの詳細は明らかではない。しかし、発表の場がフランスになったこと、松本零士の海外での高い人気を考えれば、海外マーケットを視野に入れた作品になりそうだ。
松本零士は、1938年生まれ。早熟な才能で高校生でマンガ家デビュー、戦記物や広大宇宙を舞台にした作品を得意としてきた。1977年に連載スタートした『宇宙海賊キャプテンハーロック』、『銀河鉄道999』、それに『クイーン・エメラルダス』はなかでも代表作。
それぞれの作品は、互いに作品の枠を超えてキャラクターが登場しながらたびたびアニメ化されてきた。今回も3人のキャラクター、それぞれに焦点があたる。3部作が公開される時期には、松本零士は80代となることから、集大成と言ってもいいだろう。
一方、ガイナックスは、1980年代の『王立宇宙軍 オネアミスの翼』をきっかけに設立、『トップをねらえ!』や『新世紀エヴァンゲリオン』、『ふしぎの海のナディア』などの傑作を生みだしてきた。
スタジオが関わる劇場映画は、2009年の『劇場版天元突破グレンラガン 螺巌篇』が最後。『零世紀 エメラルダス』が公開されれば、ガイナックスにとって久々の劇場アニメとなる。
『零世紀 エメラルダス』
http://zero-century.net/
原作: 松本零士
キャラクターデザイン: 貞本義行
メカニックデザイン: 板橋克己
脚本: 和智正喜
総作画監督: 海谷敏久
監督: 山賀博之
制作: プロダクション・グッドブック