マンガやアニメ、ゲームを原作にしたミュージカルや演劇、いわゆる2.5次元のステージの拡大が続いている。2015年にはそのマーケットはチケット販売だけで104億円に達し、すでにメディアミックスの一分野として定着した。
公演数も着実に増加する一方で、2.5次元は日本のポップカルチャー高い人気を背景に、早くも海外市場を見据えた動きが始まっている。2.5次元の海外輸出、海外公演である。すでにミュージカル『美少女戦士セーラームーン』、『刀剣乱舞~幕末天狼傳』、『デスノート The Musical』など海外公演を実現した作品は少なくない。
なかでも大きな成功を収めたのが、ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』だ。世界的に人気の高い岸本斉史の人気マンガを原作に、一大ステージエンタテイメントに仕立てた。原作の世界観を再現した役者で話題だが、本作は当初より海外公演を念頭に企画されていた。
ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』は、これまでに中国6都市、マカオ、マレーシア、シンガポールなどで上演されている。ワールドワイドな展開で公演回数を増やすことで、大規模なステージの収益化も目指している。
海外公演は今後も予定されているが、それでも大勢の人の移動も多くなるライブイベントだけに、現段階で、開催地域、開催数には限界がある。そこでさらなるビジネスとして実施されるのがグローバル規模のライブビューイングだ。日本で開催されるステージのライブビューイングと同時に、海外各都市へもステージが映画館を通じて中継される。
2017年8月6日(日)に東京・渋谷の・AiiA 2.5 Theater Tokyoで上演されるライブ・スペクタクル『「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~』の千秋楽の模様が、日本のほか、香港、台湾、オーストラリア、インドネシア、タイで実施されることが決定した。配給はライブビューイング大手のライブ・ビューイング・ジャパン。これまにも実施してきた国境を越えたライブビューイングのノウハウを活かす。
会場は国内61館に加えて、香港3館、台湾2館、さらに3ヵ国が加わる。海外上映は、いずれもライブ公演の実施がない地域で、ライブビューイングがステージを知る数少ない機会を提供する。ライブビューインングを通じて2.5次元を広げて、さらに今後の国際展開につなげようとの意欲も見える。
ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~
http://www.naruto-stage.jp/
ライブ・ビューイング情報サイト(海外)
http://liveviewing.jp/screenings/naruto2017-eng/