カドカワ・角川歴彦氏、相談役から取締役会長に ゲーム情報ポータル事業の分社化も


 出版・映像事業などのKADOKAWAと、Webポータルサイト事業などのドワンゴを統括する持ち株会社のカドカワが代表取締役と役員の大幅な異動をする。2017年5月25日の取締役会で決議、発表した。6月22日の定時株主総会を経て、正式決定する。
 注目されるのは、代表取締役の異動である。これまではKADOKAWA出身の佐藤辰男氏が代表取締役会長、ドワンゴ出身の川上量生氏が代表取締役社長と、ふたりの代表取締役を置いていた。このうち佐藤辰男氏が代表権のない取締役相談役に異動する。
 一方で取締役相談役であったKADOKAWA創業家出身の角川歴彦氏が取締役相談役から取締役会長に移る。夏以降は、角川氏がこれまでよりビジネスの前面の出る機会が増えそうだ。

 併せて、カドカワの取締役のスリム化も図る。夏野剛氏、小松百合弥氏、濱村弘一氏がそれぞれ取締役を退任、麻生巌氏は社外取締役を退任する。新任の取締役は設けない。
 このうち濱村弘一氏は、カドカワの直轄事業になっていたゲーム情報ポータル事業を分割した新設会社の代表取締役に就く。夏野氏はドワンゴ取締役、小松百合弥氏はドワンゴ取締役CFO、そして麻生巌氏はドワンゴ社外取締役を務める。カドカワの取締役は8人から5人に、社外取締役は3人から2人に減る。

 濱村弘一氏が代表取締役に就く新会社は、カドカワの直轄事業として運営されてきた。2014年のKADOKAWAとドワンゴの経営統合の象徴ともなる存在である。KADOKAWAが得意とするゲーム情報メディアをドワンゴが得意とするウェブ事業に融合させた。
 ゲームプレイの実況配信や、eスポーツ大会の企画・運営などを行っている。ゲーム情報ポータルを中心に分割事業の年間売上高は48億2100万円(2017年3月期)となる。
 新会社の商号は未定、資本金は1億円、全株式をカドカワが保有する。本社は東京都中央区築地の銀座松竹スクエアに置かれる。カドカワはこれまでのKADOKAWA、ドワンゴの2社を統括してきたが、今後はこれに新会社を加えた3社体制になる。

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