エンタテイメント大手のカドカワは、2017年5月11日の2017年3月期通期決算発表を前に、通期連結業績予想を上方修正した。同社は16年11月10日に一度上方修正をしているが、3月末の段階でさらに業績が上振れしたことになる。
連結売上高はこれまでの2020億円から2050億円に変更された。前期比ではおよそ2%増となる。とりわけ利益面での変更幅が大きくなった。営業利益は60億円から84億円、経常利益は58億円から74億円、当期純利益は40億円から57億円に引き上げられた。営業利益は期初当初の見通しである31億円から2.7倍になる。当期純利益もおよそ3.2倍。
業績の好調は前回の修正と同様、出版事業である。メディアミックスの作品が好調としており、同社の得意とする出版と映像の連携が力を発揮した。また返品率の低下や電子書籍・電子雑誌が成長しているとし、デジタル化のトレンドにも乗った。
さらに今回は、映像事業も好調としている。こちらもメディアミックス作品が牽引をしている。また海外向けのライセンス販売の好調も挙げられた。映像作品の主力は、KADOKAWAの強みであるアニメが大きな比重を占めているとみられる。