アニメ・キャラクターグッズ小売りの最大手アニメイトが、海外のファンに向けて新たなビジネスを進めている。2017年2月に海外向けのECサイト「Animate international」をオープンした。
Animate internationalは、日本のBlu‐rayやDVD、CD、書籍、グッズなどを世界に向けて販売する。現在は『スタミュ』や『グランブルファンタジー』、『アクセルワールド』といった人気アニメや2.5次元のステ-ジのBlu‐rayやDVD、音楽CD、ドラマCDなどをラインナップしている。
サイトの特長は、全て日本で開発された商品であることだ。送料などもあり、購入価格は日本の小売価格より高くなるが、日本の商品を望む海外のコアなファンの要望に応える。
アニメイトはグループの年商が490億円、国内47都道府県に120店舗を持つキャラクターグッズの巨大チェーンである。小売りのほか、アニメ企画・映像ソフトのフロンティアワークス、一般書店の書泉など様々な関連事業を手がける。
しかし、海外での小売り店舗は、台湾、タイ・バンコク、香港、中国・上海とアジア地域に限られている。また、店舗数も必ずしも多くない。今回は英語によるECショップを通じて英語圏、そして世界にダイレクトにアプローチする。
アニメイトはかつて米国・ロサンゼルスに店舗を置いていた。その後、米国向けの小売りはオンラインショップ「USA Animate」に移管されたが、2016年2月にサービスを終了している。
海外では各カテゴリーの商品化権を、日本企業と異なる企業が持ち、日本商品を売れない場合が多い。このため現地で生産された商品を売ることになるが、そうするとアニメイトの得意とする日本のオリジナル商品が扱えず、現地のキャラクターグッズ店やネットショップとの差別化も難しい。USA Animateも、これに苦戦したとみられる。
USA Animate終了からわずか1年で、新しいかたちでオンラインストアをオープンした。しかし、Animate internationalは世界市場を対象に、あえて日本産の商品にこだわる。アニメイトの得意とする独自企画のドラマCDや限定特典商品を用意する。いずれも海外ライセンスの課題をクリアした商品となり、海外のユーザーは“アニメイト”のブランドと共に、安心して日本の商品を購入できる。
今後は取扱い商品をどこまで増やせるか、サイトがどこまで利用されるかが鍵になる。市場は大きいと見られながら、海外ライセンスという課題の大きかったアニメ・キャラクター分野の越境ECがどこまで広がるか注目される。
Animate international
https://www.animate.shop/