アニメイトグループが横浜アニメーション子会社化 保有作品のアニメ化視野

フロンティアワークス、横浜アニメーションラボ

 アニメ業界の有力製作会社によるアニメスタジオの買収が相次ぐが、また業界大手の一社がアニメーション制作に乗り出すことになった。2025年9月5日、アニメイトグループでアニメなどの企画・製作を手掛けるフロンティアワークスが、横浜アニメーションラボの株式を取得して子会社化したと発表した。
 アニメイトグループ、横浜アニメーションラボとも非公開企業のため株式取得割合や株式取得金額などの詳細は非公表。

 フロンティアワークスは、近年、世界的にアニメ人気が高まる中、ビジネスのうえでアニメスタジオとの協力が不可欠となっているとする。横浜アニメーションラボの子会社化で、自社の持つIP、他社IPの映像化を目指す。既存の関連事業とアニメをより強く結びつける。
 アニメイトは非上場で売上規模は非公表ながら、国内外に120店舗以上を持つアニメ・ゲーム関連グッズの巨大店舗チェーン。エンタテイメント分野を中心に多くの関係子会社を持ち、アニメ分野でも存在感が大きい。
 2002年に設立されたフロンティアワークスは、グループ内のエンタテイメントの企画・製作事業会社の位置づけだ。アニメ関連事業のグループ中核会社でもあり、テレビアニメや劇場アニメの企画・製作・出資・ライセンス版権管理を手がける。また舞台やライブなどのイベント事業、ゲーム、音楽、音声ドラマ、書籍、雑誌、グッズまで幅広く展開する。
 しかしこれまでは自社にアニメスタジオを持つことはなく、企画・製作だけに注力してきた。近年のアニメーション制作のスタジオ不足のなかで、アニメイトグループも自社子会社を持つことで制作現場の確保を目指す。

 横浜アニメーションラボは2015年の設立された新興アニメシタジオである。横浜に本社を持つ数少ないアニメーション制作会社だが、現在は都内杉並区にも制作拠点がある。
 2020年にテレビアニメ『Lapis Re:LiGHTs』をスタートに元請け制作に進出。『はめつのおうこく』、『鬼人幻燈抄』などを制作している。また近年アニメーションの制作手法の大きく変わる中で、新たなワークフローやツール開発にも積極的に取り組んできた。今後もより質の高いアニメーションの制作や展開のやり方を生み出すとしている。

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