ソニーは2017年1月30日に、映画部門の営業権の評価価額を見直した。この結果、1121億円を減損処理すると発表した。
同社の映画部門は、映画製作・TV番組制作のプロダクション・アンド・ディストリビューションとチャンネル運営のメディアネットワークのふたつから構成されている。このうちプロダクション・アンド・ディストリビューションの営業権の評価を1121億円から0円に修正した。
一方、メディアネットワークの営業権は1145億円と変わらない。映画分野全体で営業権の評価は、2266億円から1145億円に引き下げられる。
減損の大きな理由となったのは、プロダクション・アンド・ディストリビューションのうち、Blu-ray・DVDなどのパッケージやデジタル販売を行うホームエンタテインメント事業の収益見通しを引き下げたためである。ソニーは、ホームエンタテインメントの市場縮小が加速化しているとする。
この結果、過去作品カタログや繰延映画製作費、商標権さらにライセンス契約などの無形固定資産、それに土地・建物などの有形固定資産を合算したプロダクション・アンド・ディストリビューションの純資産額が帳簿価額を下回った。
ソニーは今回の減損計上を受けて、2016年第3四半期に1121億円を、映画分野の営業損失として計上する。