
日本最大の国際映画祭である東京国際映画祭の開催が1ヶ月半前と迫ってきた。映画祭本プログラムの発表に先駆けて、このほど併催国際見本市TIFFCOMの企画マーケットTGFM(Tokyo Gap-Financing Market)の参加企画が発表された。国内外26ヶ国・地域から23企画の多彩なラインナップだ。
TIFFCOMでは、すでに完成された映画やテレビドラマ、アニメーションの取引が中心になっている。それに対して企画段階の作品にスポットを当てようと始まったのがTGFMだ。「Gap-Financing Market」としているように、ギャップファイナンスにフォーカスしている。
参加する企画は資金調達の一部が終了しているのが条件で、残りの製作資金の調達、配給パートナーの獲得などを目指す。すでにビジネスが相当に進んでいる企画が多いため、いずれも実際に製作が実現する可能性が高い。
これまでにベルリン国際映画祭コンペティションなった『SHAMBHALA』や堤幸彦監督『THE KILLER GOLDFISH』、真利子哲也監督『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』などが出品されてきた。アニメーションでは、今年のアヌシー国際アニメーション映画祭長編コンペティション部門観客賞の『LITTLE AMÉLIE OR THE CHARACTER OF RAIN』も2023年に登場していた。
日本の国際マーケットということで、毎年、アニメーションに力を入れているのも特徴である。2025年は6企画が選ばれている。
今年の大きな話題は6回目にして、初めて日本の長編アニメーションが選ばれたことだ。ひとつは渡辺歩監督、ジェンコ企画の『Freedom in the Sky(翼をください)』 クレジットから原田マハの小説の映像化なのが分かる。渡辺歩監督は『海獣の子供』や『漁港の肉子ちゃん』 などで国際的にも評価が高く、『ドラえもん』の映画でもお馴染みだ。ジェンコは『この世界の片隅に』でよく知られている。
もうひとつはCHOCOLATEが企画した栗林和明監督の『KILLTUBE』。江戸時代の日本を舞台にしたバトル作品で、ネットにアップされたパイロット版が話題を呼んだ。
また東南アジアからも2つのアニメーション企画が選ばれたのもトピックだ。フィリピンを代表する3DスタジオPuppeteer Animation Studiosによる『ANITO』。インドネシアの『GARUDA:DARE TO DREAM』だ。
TPGは2025年10月29日から31日まで、東京ポートシティ竹芝 ポートスタジオで開催されるTIFFCOM 2025内にて実施される。
Tokyo Gap-Financing Market (TGFM)
https://tgfm.tiffcom.jp/