北米向けに日本の主要出版社が参加するマンガアプリ クランチロールが2025年後半提供

Crunchyroll Manga

 日本アニメの海外配信大手のクランチロールが、マンガ分野でも同様のビジネスを拡大する。2025年1月7日、クランチロールのプレジデントのラウール・プリニ氏は、米国・ラスベガスで開催中の「CES2025」のソニーグループ プレスカンファレンスにて新しいマンガアプリ「Crunchyroll Manga」の計画を明らかにした。
 「Crunchyroll Manga」は2025年後半を目途に、北米のクランチロール有料会員向けにまずは新しいマンガアプリをiOSとAndroidにて提供する予定だ。さらに将来的には、ウェブでのサービスも目指す。また英語だけでなく複数の言語対応を目指す。定額課金で、日本の主要出版社の新旧マンガタイトルを読むことが出来ることになる。

 アニメの視聴が世界配信で人気を広げる一方で、同じくグローバルで注目されるマンガでは正規配信のネットワーク構築がアニメに較べて遅れているとされる。
 ひとつは出版社の垣根を越えたプラットフォームがないことである。現在、海外向けのマンガ配信では、集英社・少年ジャンプの運営する「MANGA Plus」、講談社の「K MANGA」、KADOKAWAの「BOOKWALKER」などがある。しかし、いずれも運営会社の作品を中心としており、そのサービスで日本の主力マンガ全体をカバーするわけでない。クランチロールやNetflixが幅広いアニメタイトルをカバーしていることと対象的だ。
 さらに海外では日本の翻訳マンガは日本と較べると高額のため正規版がファンに届きにくい。廉価で多くの作品が読める定額課金のマンガサービスを望む声は大きい。大手出版社にとっても自社ブランドサービス以外の総合プラットフォームもあることは、ユーザーへのリーチを広げてる点でメリットもあるはずだ。「Crunchyroll Manga」は、こうしたニーズを埋めることを目指す。アニメと同様にマンガ配信のデファクトサービスになれるのか、今後の展開が注目される。

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