「エヴァンゲリオン」、「仮面ライダー」、「ウルトラマン」など日本の映像史に残る傑作を次々にリブートさせて話題を呼んできたカラーが、新たな大型タイトルを手がけることが明らかになった。2024年10月6日、東京・新宿ピカデリーで実施された「『宇宙戦艦ヤマト』 放送50周年記念上映会スペシャルトークショー」のなかで、カラー代表取締役社長の庵野秀明氏が明らかにした。
カラーの発表によれば、同社は「宇宙戦艦ヤマト」の作品管理・映像製作をするボイジャーホールディングスから『宇宙戦艦ヤマト』をベースとした新作アニメ映像を製作する権利を獲得した。また東北新社からは著作権利用の許諾を得たという。これにも基づいてカラーは『宇宙戦艦ヤマト』の映像作品の製作、そして作品関係のフランチャイズビジネスが可能になる。カラーではすでに新作劇場映画の企画を進行中で、2025年からのプロダクション開始を目指しているとする。
詳しいスタッフは明らかにされていない。しかし情報の初出しが庵野秀明氏自身の生トークであったこと、これまでにカラーの手がけた大作映画のほとんどで庵野秀明氏が中心となってきたことから、同様の体制が期待される。
『宇宙戦艦ヤマト』は、1974年に全26話でテレビ放送されたシリーズからスタートした。熱烈なファンを多く獲得したことから、その後劇場版、続編などが次々と作られた。当時はキッズだけでなく多くのティーンズのファンに支えられ、現在のアニメファン文化の源流のひとつともみなされる歴史的作品だ。
2010年には山崎貴監督による実写映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』も製作。2012年には当初のシリーズをベースに新たに歴史を辿り直すリブート版『宇宙戦艦ヤマト2199』がスタートし、現在も継続中だ。それも現在は『ヤマトよ永遠に REBEL3199』と終盤に差し掛かる。
カラー版『宇宙戦艦ヤマト』は、その後に続く作品になりそうだ。ただし新作は“異なる航路を進む作品”としており、さらに新たなリブート作品になると見られる。
カラーは庵野秀明氏を中心に2006年の設立された。当初は『新世紀エヴァンゲリオン』のリブート作品「シン・エアヴァンゲリオン」シリーズを中心としていた。しかし2016年に庵野秀明氏が『シン・ゴジラ』の監督・脚本をしたのをきっかけに、『シン・ウルトラマン』、『シン・仮面ライダー』と往年の大型シリーズを独自の視点で再構築したリブート版を相次いで手がけた。
今回の『宇宙戦艦ヤマト』も庵野秀明氏の思い入れの強い作品とされているだけに、そうした流れのひとつになる。作品完成までにはまだだいぶ時間がありそうだが、今後も大きな関心を浴びることになるだろう。