音楽著作権管理団体の日本音楽著作権協会(JASRAC)が、5月22日に2024年JASRAC賞を発表した。JASRAC賞は前年一年間に最も演奏・利用された楽曲をJASRACの著作物使用料分配額から決定し、顕彰する。
今年は作詞・作曲者Ayase、YOASOBIが歌った「アイドル」が金賞に輝いた。「アイドル」はアニメシリーズ『【推しの子】』の主題歌で、番組・映像の双方が世界的なヒットになった。映像と音楽が連動してヒットする時代を象徴する楽曲だ。著作物使用料は、インタラクティブ配信(ネットでの利用)やカラオケなどで大きかった。
「アイドル」以外でもアニメの主題歌となった楽曲の活躍は、変わらず多い。総合3位にあたる銅賞の「閃光」は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の主題歌、同曲は「国内作品 【インタラクティブ配信】」ではトップになっている。
また6位の「ミックスナッツ」(Official髭男dism)は『SPY×FAMILY』の主題歌。7位には主題歌でないところから「ワンピース BGM」も入っている。国内の楽曲利用にアニメの存在感が大きいのが分かる。
さらにアニメの存在感大きいのは国際賞である。国際賞は海外で使用された日本楽曲の国内入金額の多かったものを顕彰する。今年は人気アニメ『NARUTO疾風伝』が輝いた。
JASRACではアワード決定と合せて、毎年、2位以下10位までの楽曲も公表している。そのほとんどが毎年、アニメ関連楽曲となっている。なかでも今年は2位が「NARUTO BGM」、3位は「BORUTO-NARUTO NEXT GENERATIONS BGM」とトップ3を『NARUTO』の楽曲で占めた。これは『NARUTO』のアニメシリーズの海外放送、配信が多いことから徴収金額が多くなっているとみられる。
実際に「国内作品 【外国入金】TOP10」では、4位以下も「HUNTER×HUNTER BGM」、「進撃の巨人 BGM」、「ワンピース BGM」、「キャプテン翼 BGM」、「僕のヒーローアカデミア2期 BGM」と人気アニメシリーズのBGMが並んでいる。
10位の「人生のメリーゴーランド」は『ハウルの動く城』の主題歌、そして6位の「ハーフムーン・セレナーデ」のみがアニメ関連以外になる。80年代のアイドル河合奈保子が歌っていた曲で、海外の昭和ポップスブームを反映した結果となった。
またJASRACの 2023 年度の使用料徴収額は1371億6000万円、分配額1351億2000万円といずれも過去最高であった。音楽サブスクリプションのほか動画サービスなどのインタラクティブ配信が好調で、487億2000万円と前年比で9.1%増となっている。
外国入金も13.6%増の163億円と高い伸びを見せている。こちらもアニメを中心とした動画配信サービスの利用拡大が考えられる。
[国内作品 【外国入金】TOP10]
1. 「NARUTO疾風伝 BGM」
2. 「NARUTO BGM」
3. 「BORUTO-NARUTO NEXT GENERATIONS BGM」
4. 「HUNTER×HUNTER BGM」
5. 「進撃の巨人 BGM」
6. 「ワンピース BGM」
7. 「ハーフムーン・セレナーデ」
8. 「キャプテン翼 BGM」
9. 「僕のヒーローアカデミア2期 BGM」
10. 「人生のメリーゴーランド」