「CYBORG009 CALL OF JUSTICE」Netflixが独占配信 劇場版を全12話に構成

CYBORG009 CALL OF JUSTICE

2016年11月より全3章に分けて劇場公開された『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』が、映像配信プラットフォームのNetflixで独占配信されることになった。配信は2017年春にスタート、劇場3部作を再編集し、新たに全12話とする。テレビシリーズスタイルの作品になる。
『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』は石ノ森章太郎の人気マンガを原作とするアニメの最新作で、2012年の『009 RE:CYBORG』から4年ぶりの映像化になる。前作に引き続きセルスタイルのフルCGアニメが特徴になっており、総監督に神山健治、監督に柿本広大、キャラクターデザインに齋藤将嗣を起用した。アニメーション制作はIGポートグループの SIGNAL.MDに、OLM Digitalも参加する。
製作出資は石森プロとプロダクショI.Gの2社のみだ。Netflixの独占配信で、原作者とアニメスタジオが共同で権利を持つビジネススキームが実現した。

Netflixは2017年1月からは、テレビアニメ『リトルウィッチアカデミア』の配信も明らかにしている。1月9日から毎週月曜日に新エピソードを追加する。8日深夜にTOKYO MX、BS11、関西テレビの3局でテレビ放送されるが、翌日には早くも配信がスタートする仕組みだ。
『リトルウィッチアカデミア』は、2013年度の文化庁若手アニメーター育成プロジェクトをきっかけにスタートした話題作である。ここで制作された20分余りの短編をスタートに、クラウドファンディングで資金を調達した2015年の映画『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』が実現した。今回はNetflixと連携することで、テレビシリーズを製作する。人気のアニメスタジオTRIGGERが吉成曜を監督に、主人公アッコたちの活躍を新たに最初から描き直す。

Netflix は2015年秋に日本進出した世界最大規模の定額見放題の映像配信プラットフォームで、190 ヵ国以上に8600 万世帯の有料会員を持つ。今回の『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』も、全世界配信となる。
Netflixは自社だけのオリジナル作品も特徴にしている。本国、米国ではいくつもの作品がテレビドラマのアワードに輝くほどの実績を重ねる。
日本展開の際にも、アニメを含めたオリジナル作品の展開を目指すと話題を呼んだ。しかし、これまではアニメの独占タイトルは『亜人』などにとどまってきた。これが2017年初春には、『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』と『リトルウィッチアカデミア』の大型タイトルが並ぶ。

しかし、オリジナルタイトルではあるが、Netflixの本国のドラマ番組とはやや異なる仕組みが採られている。Netflixは通常は独占的な配信権を獲得すると同時に、テレビ放送や劇場公開に長期間の制限をかけている。文字どおりNetflixでしか観られないかたちにする。一方『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』では日本での劇場先行公開、『リトルウィッチアカデミア』ではテレビ放送と並行する。『亜人』では劇場とテレビの両方でのリリースがある。
現状でNetflixの日本での普及が限定的なこと、認知度の拡大により周辺ビジネスに広げるアニメならではのビジネスも影響していそうだ。こうしたかたちが同社のスタンダードになって行くのか、今後が注目される。

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