アニメ製作大手のIGポートは、2023年7月14日に23年5月期通期連結決算を発表した。連結売上高は111億6300万円と6%の微減だったが、利益面は大きな伸びとなった。営業利益は9億9100万円(72.9%増)、経常利益9億9900万円(74%増)、純利益は7億6600万円と500万円から急伸した。前年は約4億円あった映像制作事業の営業損失が8700万円と黒字転換したことが大きかった。
IGポートは22年7月に発表していた「中期経営計画」の3ヵ年の連結数値目標で、経常利益10億円を掲げていたが、一年目でこれを実現したことになる。
こうした業績を受けて、IGポートは中期経営計画の数値目標を見直した。売上高、経常利益も上方修正している。2026年5月期の連結売上高の目標を126億円から130億7600円に引き上げた。また経常利益は10億6900万円から15億6500万円に引き上げた。
ROE8%以上、配当性向 25%の目標も維持する。23年5月期の配当は前期の1株当たり5円から、40円に大幅に引き上げられている。
23年5月期は映像制作事業が増収増益。売上高は61億600万円(2.5%増)、営業利益は8700万円だった。主力作品は『天国大魔境』、『SPY × FAMILY』、『蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE』などだ。
一方、版権事業の主力は『SPY × FAMILY』、『進撃の巨人』、『銀河英雄伝説 Die Neue These』などだった。中でも『SPY × FAMILY』は、テレビ放送終了後も国内外のライセンス売上が好調としている。ただし前年は製作出資の大きな作品が多かったことから、売上高、利益は反動減となっている。部門売上高は18億5300万円(36.8%減)、営業利益は4億7600万円(19.2%減)だ。
出版事業は売上高29億300万円(9.7%増)、営業利益5億6200万円(3.8%増)だ。電子書籍売上げが15%増、また海外翻訳出版も伸びた。