2016年12月5日から8日まで、マカオにてシーグラフアジア2016(SIGGRAPH Asia 2016)が開催される。最先端のCG作品や技術、研究成果が披露され、世界各国から集まった研究者や技術者、業界関係者が情報交換を行う。
シーグラフは米国のACM シーグラフが主催するCGやインタラクテイブメディアの作品とテクノジーの世界最大の総合イベントとして知られている。1974年より最先端の研究発表、技術の展示、作品紹介を毎年北米で行っている。
アジア地域のCG分野の成長により、2008年からはアジアの主要都市を会場に北米とは別に毎年冬の開催されている。2015年は神戸に約50ヵ国から7000人の参加者が集まった。2016年は初のマカオ開催となり、大型施設ザ・ベネチアン・マカオを会場とする。
シーグラフアジアは、シーグラフのアジア版の位置づけであるが、参加者や出展作品はアジアに限定されていない。むしろ、グローバルであることが特色になっている。今年の基調講演はグーグルとフェースブックからVRの専門家を招くなど、新しい潮流を積極的に取り込む。
イベントの目玉のひとつであるコンピューター・アニメーション・フェスティバル(Computer Animation Festival)には、世界34ヶ国から443作品のCG作品の応募があった。この中からベスト・オブ・ショウとしてインドの『Schirkoa』、審査員賞にはニュージーランドの『Accidents, Blunders and Calamities』、最優秀学生企画にはドイツの『BreakingPoint』が選ばれている。
一方で、残念ながら日本からの上映は多くない。アニメーションシアターとエレクトロニクシアターで公式上映される63作品には、日本からは2本のみにとどまった。
ひとつは2017年からテレビ放送を予定するアニメシリーズ『正解するカド』。総監督に村田和也氏を迎え、東映アニメーションがセルルックのCGアニメーションで制作する初のテレビアニメーションシリーズである。プロデューサーは映画『楽園追放』の野口光一氏。放送に先駆けて、海外での作品紹介になる。
もう1本は、短編アニメーション映画『ムーム』である。『ダム・キーパー』のロバート・コンドウと堤大介両監督が、フルCGで可愛いキャラクターたちを表現した。プロデューサーはクラフターの石井朋彦氏と東宝の川村元気氏である。2本だけではあるが、異なったテーストで日本のCGアニメーションのいまを届けることになりそうだ。