セガが「アングリーバード」Rovio社を公開買付、買収総額1000億円超

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 ゲーム大手のセガが国境を越えた大型企業買収に踏み切った。2023年4月17日、セガサミーホールディングスは、グループ会社セガの英国法人SEGA Europe Limitedがフィンランドの大手ゲーム会社Rovio Entertainment Oyj (ロビオ・エンタテインメント)に対して公開買付をすると発表した。
 5月8日前後に公開買付けを開始、価格は1株9.25ユーロで買収総額は7億600万ユーロで約1036億円となる。公開買付けにあたっては、議決権の割合で約49.1%にあたる複数の株主から応募の同意を得ているとする。最終的に過半数以上の株式を取得する可能性は極めて高い。

 ロビオ・エンタテインメントは、2003年にフィンランドで設立された。携帯向けゲームの「アングリーバード」のヒットで知られている。個性豊かな鳥たちを主人公にミッションをクリアしていくアクションパズルゲームだ。
  2022年12月期の売上げは、3億1770万ユーロ、約470億円になる。また営業利益は2850万ユーロで約42億円、利益は過去3年間は減少傾向にあるものの確実に計上している。

 「アングリーバード」はゲームだけでなく、キャラクター商品、そして映像化もされている。2016年にはソニー・ピクチャーズ配給でハリウッド大作のCGアニメーションとなり、2019年には続編も製作された。テレビアニメーションも3年にわたり放送された。こうしたキャラクターとしての高い価値が、買収の背景にありそうだ。
 もうひとつ価値があると判断されたのは、ロビオが保有するゲームプラットホーム「Beacon」である。このノウハウのヨーロッパ市場での活用を目指す。
 さらに「アングリーバード」を初めとするロビオが待つ、作品をモバイル以外の領域に展開するという。こちらがセガのノウハウが活用されることになる。買収はウィン-ウインになるというわけだ。

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