文化庁映画賞(映画功労部門)に安彦良和氏、田村實氏

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 安彦良和氏が令和4年度文化庁映画賞(映画功労部門)の受賞者に選出された。安彦氏は長年、アニメやマンガ、イラズトレーションの分野で活躍してきたが、このなかのうちアニメーター、キャラクターデザインでの業績を顕彰したものである。
 安彦氏は1967年に虫プロにアニメーターとして入社。その後フリーとなり、『勇者ライディーン』、『機動戦士ガンダム』などののキャラクターデザイン、作画監督をした。『クラッシャージョウ』や『機動戦士ガンダムククルス・ドアンの島』などでは監督、さらにマンガ家として『アリオン』や『ヴイナス戦記』などがあり、多才は活躍をする。

 また映画撮影のカメラマンとして岡本忠成や川本喜八郎のストップモーション・アニメーションに携わってきた田村實氏も受賞している。こちらは立体アニメーション撮影を業績としている。
 田村氏は立体、半立体、粘土、毛糸、セルなどを素材とする多様な短編アニメーションの撮影と照明を数多く担当してきた。『道成寺』、『死者の書』といった川本喜八郎監督作品などは代表作だ。

 文化庁映画賞は2003年に、映画芸術の向上とその発展を目的に設立された。それまで顕彰の少なかったドキュメンタリー映画を対象にした文化記録映画大賞・優秀賞と映画の様々な職種を対象にした映画功労部門のふたつから構成されている。幅広い映画文化にスポットを当てる。
 アニメーション分野に縁が大きな人物からは、これまでに笹川ひろし、杉井ギサブロー、芝山努、小林七郎、半藤克美、明田川進、杉野昭夫、白井久男、森田清次、古川雅士、瀬山武司、小山明子、内田健二、森卓也らの各氏が受賞している。

 しかし文化庁の新たな施策から、文化庁映画賞は本年度で終了する方向が示されている。今回が最後の受賞者となる。本年度の贈呈式は2022年10月24日、東京ミッドタウン日比谷BaseQを予定している。

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