放送事業の多角化を進めるテレビ東京ホールディングスの2023年3月期第1四半期(22年4月~6月)の売上げ・利益が過去最高を記録した。期間中の売上高は前年同期比で5.8%増の365億9800万円、営業利益は29億7700万円(16.2%増)、経常利益は30億3300万円(11.2%増)、当期純利益は20億2900万円である。
放送事業が前年並みと堅調な中で、ライツ事業の大きな成長が全体の水準を引き上げた。今後も放送事業の収益を確保しつつ、利益面で貢献の大きなアニメの海外輸出を推進し、さらにドラマやバラエティ、ニュース番組などの配信、イベントなどを強化していく方針だ。
アニメ、配信ビジネス、イベントから構成するライツ事業は、売上高80億2500万円と前年比32%増、利益は34億2400万円の63.2%増だ。売上げは放送事業の1/3程度だが利益率が高く、利益は放送事業の42億1700万円にも匹敵する。
ライツ事業でもっとも大きいアニメの売上げは54億5500万円(27.8%増)と成長している。今期は中国企業向けの配信、北米向けの『NARUTO』の商品化権許諾が大きく伸びた。海外事業が引き続き大きな役割を果たしている。また「遊戯王」シリーズのSNSゲームが国内、海外で好調ともしている。
ライツ事業ではアニメ以外も高い成長となっている。アニメ以外の国内外の配信事業となる配信ビジネスは41.6%増の22億8700万円と41.6%増だった。自社出資の配信プラットフォーム「Paravi」で見逃し配信が増加、テレ東BIZのYoutube配信、「テレ東BIZ」の有料配信と多方面で事業が拡大している。海外販売も堅調だった。
イベントはコロナ対応の進展や有観客イベント回復傾向で、売上高28億200万円(44.9%増)とになった。
アニメ関連ではこれ以外に、音楽出版関連で国内では『新世紀エヴァンゲリオン』、『牙狼〈GARO〉』、『妖怪ウォッチ』のテーマ曲、海外ではアニメ関連のBGMが好調だった。
しかしアニメ専門チャンネル「AT-X」を運営するエー・ティー・エックスでは、加入者数減少により売上が減少。前年同期比5.4%減の8億8400万円だった。ただしライツ売上で『東京リベンジャーズ』が好調だった。