2021年で9回目となる「VFX-JAPANアワード2021」の最優秀賞作品が決定、CG・VFXの業界組織VFX-JAPANより発表された。
最優秀賞は今年2月に発表済の全6部門19作品の優秀賞から、さらに各部門1作品を選りすぐったものである。2020年の日本のCG、VFXシーンを牽引した作品と言っていいだろう。
まず劇場公開実写映画部門最優秀賞は映画『映像研には手を出すな!』である。乃木坂47の人気メンバー3人の主演で話題を呼んだ本作だが、ROBOTが実現した空想とちょっと未来の現実が交錯する映像もみどころだった。
ゲーム映像部門はコジマプロダクションの開発したインディーズビデオゲーム『DEATH STRANDING』。
アニメーション関連が多いのも、VFX-JAPANアワードの特徴である。劇場公開アニメーション映画部門の最優秀賞はシリーズ初の長編アニメと銘打った『ルパン三世 THE FIRST』だった。制作はトムス・エンタテインメントとグループのCG会社マーザ・アニメーションプラネットだ。山崎貴監督のもと、お馴染みのクアラクターたちをフルCGの世界のなかでのびのびと表現した。
昨年からテレビ番組アニメCG部門から名称が変わったTV・配信番組アニメCG部門は2年連続でNetflixアニメアニメからとなった。米国の人気実写ドラマのスピンオフをアニメで描いた『オルタード・カーボン: リスリーブド』である。制作はアニマが担当した。
CM・プロモーションビデオ部門の最優秀賞は、『攻殻機動隊 SAC_2045』のオープニングテーマに起用されたmillennium paradeの「Fly with me」もミュージックビデオだ。本編同様のモーションキャプチャーを用いたCGアニメが特徴になっている。
先導的視覚効果部門の最優秀賞は、手描きの4K HDRアニメという壮大なチャレンジとなった『Sol Levante』だ。プロダクション I.Gの手でNetflixオリジナルアニメ作品として開発された。
TV・配信番組アニメCG部門の『 オルタード・カーボン: リスリーブド』を合わせて6部門のうち2部門をNetflixのオリジナルコンテンツが制覇したことになる。近年の海外の映像アワードでは、Netflix旋風が話題になることが多い。そんな影響は日本のCG・VRX界にも押し寄せているようだ。
VFX-JAPANアワード2021最優秀賞
https://vfx-japan.jp/award2021result/
【劇場公開実写映画部門 最優秀賞】
映画「 映像研には手を出すな!」
【劇場公開アニメーション映画部門 最優秀賞】
ルパン三世 THE FIRST
【TV・配信番組アニメCG部門 最優秀賞】
『 オルタード・カーボン: リスリーブド』
【ゲーム映像部門 最優秀賞】
『DEATH STRANDING』
【CM・プロモーションビデオ部門 最優秀賞】
millennium parade 「Fly with me」
【先導的視覚効果部門 最優秀賞】
『Sol Levante』