メディアドゥ傘下で英語圏アニメ・マンガコミュニティサイト「MyAmnimeList」を運営する株式会社 MyAnimeListが、2021年3月1日付で約12億円を調達する。増資額のうち6億円は、講談社、集英社、小学館の大手出版3社と親会社であるメディアドゥが第三者割当増資で引き受ける。
残り6億円分の引受先は今回明らかにしていないが、今回開示した企業以外で複数社が引受を検討しているという。今後さらに新たな出資者が増える可能性が高い。これらの引受先も確定するとメディアドゥのMyAnimeList に対する株式保有割合は 40.5%まで下がる。これまでは100%株式保有するメディアドゥの完全子会社だったが、持株比率は40.5%に下がり持分法適用会社に変更される。
MyAnimeListは海外における日本アニメとマンガファンのための英語コミニュティサイトで、2019年3月に旧株主DeNAよりメディアドゥが買収した。2021年2月時点の月間利用者数は、1800万人としている。日本ポップカルチャーの海外での情報発信、ファン交流の大型ハブとなっている。
メディアドゥは買収後、プラットフォームのインフラと機能強化に取り組んできた。資金調達後はさらに「データベース効率化」、「UI/UXの改善」、「メニュー多言語化」、「コミュニティ機能改善」、「オフィシャルアプリの強化」などサービスの強化に努める。また新たにオリジナル動画コンテンツやデジタルコンテンツの配信も進める。コミュティだけでなく、コンテンツ自体も目指すことになりそうだ。
一方で2021年1月末の時点で。メディアドゥは純資産が7624万1101円の債務超過となっていた。今回の増資は債務超過の解消と新体制に向けた財務基盤の強化を、大手出版社の協力も得ること実現する。
講談社、集英社、小学館は、現在、日本のマンガ業界に不足している海外ファンに向けた情報・コンテンツ発信をMyAnimeListに期待しているとみられる。欧米では日本に較べてマンガのデジタル配信が遅れている。
一方でアニメ・マンガの人気を背景に、直近で日本作品の海賊版がネット上で再び勢いを増している。 MyAnimeListを中心にファンコミニュテイとコミュニケーションの深化、正規版の配信強化といった狙いもあるだろう。
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